『日本魚名の研究』

澁澤敬三
(1959年10月10日刊行,角川書店,東京, 364 pp.)

戦時中に出版された:澁澤敬三日本魚名集覧・第三部:魚名に關する若干の考察』(1943年2月10日刊行,日本常民文化研究所日本常民文化研究所彙報・59],東京, iv+329 pp.+ 3 plates + 1 folded table)の改訂版.澁澤敬三の著作は『日本魚名集覧』(全3冊)はもちろん居室の “神棚” にずらっと鎮座している.澁澤敬三の魚名民俗学は,柳田國男の提唱する「方言周圏論」と「重複立証法」に批判的だったので,前から気になっていた.

『読む・打つ・書く』書評拾い(52)

三中信宏
(2021年6月15日第1刷刊行|2021年10月5日第2刷刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

  • ミシマ社:「今年の一冊座談会「思いがけず出会った本」(1)」(2021年12月28日) https://www.mishimaga.com/books/kongetsu-mishimasha/003909.html ※「僕も手に取るまでは、破天荒な理系研究者の話なのかと思ってました(笑)」—— うっかり見落としていた書評.

『ロック・ファミリー・ツリー』読中録(1)

ピート・フレイム[新井崇嗣・瀬川憲一訳]
(2022年8月1日刊行,みすず書房,東京, 385 pp., 本体価格15,000円, ISBN:978-4-622-07802-9目次版元ページ



  • [蒐書日誌]ひとつの原稿にケリをつけると,ひとつのシアワセがやってくる —— ピート・フレイム[新井崇嗣・瀬川憲一訳]『ロック・ファミリー・ツリー』(2022年8月1日刊行,みすず書房 www.msz.co.jp/book/detail/07… )※ご恵贈まことにまことにありがとうございます.400ページ弱に活字が詰め込まれる. pic.twitter.com/qLrOG5oH8b posted at 12:37:33


  • 続)今回出版された『ロック・ファミリー・ツリー』は,原書の前半 tree 1〜31が折り込み図版で綴じ込まれていて,その詳細なキャプションが訳出されている.視力検査のような微細図がホントに訳されているのはかなり感動モノかもしれない.前半がよく売れたら,後半のtree 32〜58も出るかもとのこと. pic.twitter.com/lcsGROxMD6 posted at 12:41:54


  • [蒐書日誌]ピート・フレイム[新井崇嗣・瀬川憲一訳]『ロック・ファミリー・ツリー』(2022年8月1日刊行,みすず書房)は旅先にも持参して読み続けていた.人脈が絡み合う「Savages, Crusaders & Outlaws」はもはやツリーではなく,ネットワークと呼ぶしかない.熱海〈龍宮閣〉の “独房” にて読了. pic.twitter.com/gN2ajJaP5c posted at 10:18:08


  • @RFT_JP [蒐書日誌]同著者の『Even More Rock Family Trees』には,細密画のごとき系統樹が載っていて,こういう “偏執狂” 的な様式はワタクシにはとても好ましく感じられる.ワタクシはロック・ミュージックにはいささかも関心がないが,『ロック・ファミリー・ツリー 』に興奮する人々には深く共感する. pic.twitter.com/HJCxthk4nK posted at 12:49:41


『味の台湾』目次

焦桐[川浩二訳]
(2021年10月18日刊行,みすず書房,東京, xii+376 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-622-09045-8版元ページ

ほぼ400ページの厚さがあるのだが,これでも原書『味道福爾摩莎』(2015年)の約1/3の項目しかピックアップされていないとは.


【目次】
日本語版序 i

担仔麵 2
肉臊飯 8
白斬鶏 15
肉円 22
虱目魚 30
米粉湯 38
木瓜牛奶 45
焼肉粽 49
芒果牛奶氷 57
沏仔麵 63

四臣湯 70
鱔魚麵 77
白湯猪脚 83
鹹粥 88
緑豆椪 93
蚵仔煎 98
羊肉爐 104
客家小炒 110
封肉 117
鹹湯円 125

棺材板 132
甜不辣 138
炸排骨 143
紅糟焼肉 150
紅蟳米糕 155
爆肉 160
烏魚子 166
台湾珈琲 175

小籠包 184
臭豆腐 190
川味紅焼牛肉麵 196
永和豆漿 205
米干 210
蚵嗲 216
猪血湯 221
貢糖 227

仏跳牆 234
麻油鶏 241
牛舌餅 246
魚丸湯 250
阿給 255
鴨賞 260
米篩目 265
排骨湯 269
茶葉蛋 275
文山包種茶 281
焼酒螺 287
貢丸湯 293
桜桃鴨 299
豆花 304

鳳梨苦瓜鶏 312
生炒花枝 318
菜脯蛋 324
黒白切 330
冬瓜茶 337
橘醬 342
麵線 347
葱抓餅 353
枝仔氷 359
刈包 365

 

訳者あとがき 371

『キリンの首』感想

ユーディット・シャランスキー[細井直子訳]
(2022年7月30日刊行,河出書房新社,東京, 239 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-309-20859-6目次版元ページ

読了&書評完了.本書は教養小説(Bildungsroman)と銘打たれているが,けっこうひねりがはいっていて,一筋縄では読めない “教養小説” だ.すでに熟年に達している “旧東独” 的な女主人公は,生物学を教える職業婦人としてのキャリアは積んでいるが, Bildung(成長)とも Entwicklung(発展)とも無縁な読後感が漂う.本書ではいったい「何」が成長したことになるのだろうか.旧東欧の唯物論生物学がキーワードかもしれない.

他の読者や評者はいったいどんな読み方をしているのだろうか.原書はもう10年も前に出版されているが,ドイツ国内での書評は今でも読める:

ワタクシの書評は9月はじめに時事通信社から各紙に配信されるとのこと.

『超圧縮 地球生物全史』目次

ヘンリー・ジー竹内薫訳]
(2022年8月30日刊行,ダイヤモンド社,東京, 381+xix pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-478-11427-8版元ページ


【目次】
1章 炎と氷の歌 17
2章 生物、大集合 35
3章 背骨のはじまり 55
4章 渚に打ち上げられて 75
5章 羊膜類あらわる 93
6章 トライアシック・パーク 119
7章 空飛ぶ恐竜 139
8章 素晴らしきほ乳類たち 167
9章 猿の惑星 191
10章 世界を股にかける 207
11章 先史時代の終わり 237
12章 未来の歴史 257
エピローグ 283

 

参考文献 294
謝辞 298
注釈 302
訳者あとがき 374
索引 [i-xix]

『哲学の門前』目次

吉川浩満
(2022年9月5日刊行,紀伊國屋書店,東京, 269 pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-314-01193-8版元ページ


【目次】
はじめに 11
1 哲学 15
2 ディス/コミュニケーション 41
3 政治 73
4 性 95
《幕間》君と世界の戦いでは I/II/III 111
5 仕事 141
6 友だち 205
7 哲学 reprise 247
あとがき 261
注 263