『「はやぶさ2」は何を持ち帰ったのか:リュウグウの石の声を聴く』目次

橘省吾
(2024年2月20日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・324],東京, xiv+134+2 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-00-029724-0版元ページ


【目次】
はじめに iii
1 なぜ、地球の外へ 1
2 「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ 13
3 リュウグウへ到達、そして帰還 31
4 生まれたての太陽系からの声──リュウグウの石を分析する 53
5 生命の材料はどこから──リュウグウ有機物を追う 99
エピローグ──リュウグウと太陽系の46億年 121

 

おわりに 133
図版引用元一覧 [1-2]

『そだちの科学・第42号』4月近刊

滝川一廣杉山登志郎田中康雄・村上伸治・土屋賢治 (編)
(2024年4月15日出版予定、日本評論社、東京, 本体価格1,500円, ISBN:978-4-535-90762-1版元ページ

特集〈発達障害が多すぎる〉の「IV・エッセイ」に、三中信宏「分けられないものを分ける功罪——分類思考の観点から」を寄稿した。アマゾンでは予約受付中: https://www.amazon.co.jp/dp/4535907625/

『マビヨン通りの店』目次

山田稔
(2010年10月17日刊行、編集工房ノア、大阪, 205 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-89271-186-2

このエッセイ集には、多田謡子の父親が登場する:「転々多田道太郎」(pp. 176-202)。


【目次】
富来 6
マビヨン通りの店 18
シャンソンの話 30
ニーノさんのこと 46

*

敬老精神 54
小沼丹で遊ぶ 58
はじめての同人雑誌——「結晶」のこと 64
松川へ 77

*

前田純敬、声のお便り 96
後始末 110
一徹の人——飯沼二郎さんのこと 134
生島さんに教わったこと 157

*

転々多田道太郎 176

 

初出一覧 204

『こないだ』目次

山田稔
(2018年6月1日刊行、編集工房ノア、大阪, 285 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-89271-292-0

所収されている “ポルトレ” のひとつが「ある祝電——多田謡子さんのこと」(pp. 100-110)だった。


【目次】

I

ある講演会 10
手招き 24
〈あと一円〉の友情 35
形見分け 55
「どくだみの花」のことなど 62
「季節」を出していたころ 68
富士びいき 85

*

ある祝電——多田謡子さんのこと 100
樹と猫と 111
書く習慣 127

II

芸としての頓死 142
〈居たたまれぬほどに美しい話〉 146
褒められて 151
名付け親になる話 157
索引二百回 161
あみの佃煮 166
立ち話 170
グラフィティの勝利 176
Minuterie 181
パレルモカタコンベ 186
ある文学教育 192
「いま何時」 196

III

読むたのしみ

 『秘義と習俗』フラナリー・オコナー全エッセイ集 200
 『ちいさなカフカ池内紀 204
 『名文を書かない文章講座』村田喜代子 207
 『ユリシーズの涙』ロジェ・グルニエ 210
 『躯の贈り物』レベッカ・ブラウン 214
 『南の話』青山南 217
 『私の寄港地』今江祥智 221
 『北大阪線』桝谷優 224
 『含羞のエンドマーク』前田陽一 228
 『大空と大地へ還りゆく日は』高田宏 231
 『吾妻橋のほとり 永井荷風私記』前之園明良 235

IV

手紙 240
思い出すままに——黒瀬勝巳、そしてふたりの伊藤 252

 

あとがき 281
初出一覧 282

『謡子追想:人は愛と闘いに生きられるのか』目次

久下格
(1997年6月30日刊行、教育史料出版会、東京, 266 pp., 本体価格1,700円, ISBN:4-87652-314-2

早逝した弁護士・多田謡子(1957-1986)のパートナーの手になる伝記私小説。最初の序文と最後のあとがきを除く本書の本文(pp. 7-254)については、著者自身がインターネットで公開している:久下格『見晴らし荘のころ[「謡子追想」改題 インターネット版]』(2004年8月1日公開 https://www.aoisora.org/miharashi/miharashisou.htmlhtmlpdf)。多田謡子は、ワタクシと同じ小学校の一年上の生徒だったという以外にまったく何の接点もない。ワタクシの当時の同級生のひとりは、多田謡子と同じ演劇クラブに所属していたと言っている。同じところに住んでいれば自動的に同じ小学校に通うという土地柄だった。


【目次】
[序] 5
再会 7
冬 53
春 89
夏 123
秋 155
ふたたび、冬 179
それから 235
あとがき 255

『物ぐさ道草:多田道太郎のこと』読了

荒井とみよ
(2023年3月15日刊行、編集工房ノア、大阪, 252 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-89271-366-8目次

読了。早逝したひとり娘・多田謡子のことは最後の最後に出てくるが、もう少し深く描いてほしかった気がする。著者のこの “距離感” だとあまり書けなかったのかもしれないが。編集工房ノアの広報誌『海鳴り』31号(2019年3月)に、荒井とみよ「多田謠子さんのこと」という記事が掲載されているらしいが未見。

『はじめての統計的因果推論』目次

林岳彦
(2024年2月28日刊行、岩波書店、東京, xiv+267 pp., 本体価格2,900円, ISBN:978-4-00-005842-1版元ページ

最近、外堀を “因果推論本” たちで埋められつつある気がして寝ていてもうなされる。 “統計陰陽師” が昼に夜に “呪い” をかけているにちがいない。勉強します、ハイ。


【目次】
 はじめに v

第 I 部 因果推論の基本的な考え方

1 因果と相関と「特性の分布の(アン)バランス」 3

  1.1 まず、「対象のありよう」を丁寧に考えよう 3
  1.2 相関と因果と、特性の分布のバランス 5
  1.3 基本的なゴールとしての「特性の分布のバランシング」 11
  1.4 そもそも何が揃うと「因果関係」といえるのか? 16
  1.5 手始めの一歩――層別化による因果効果の推定 23
  1.6 この章のまとめ 26

2 どの特性を揃えるべきなのか――因果ダイアグラムとバックドア基準 29

  2.1 相関と因果の違い 29
  2.2 いざ、バックドア基準へ 33
  2.3 まとめとしてのバックドア基準――とどのつまり、どの変数をバランシングするべきなのか 69
  2.4 いくつかの例題でのおさらい――習うより慣れよう 73
  2.5 バックドア基準を踏まえて、「目指すべきゴール」をアップデート 80
  2.6 この章のまとめ 81

3 因果推論、その(不)可能性の中心――潜在結果モデルと無作為化 87

  3.1 潜在結果モデルへの入り口――個体レベルでの因果効果から考える 87
  3.2 潜在結果モデル――「もしも」の世界も考える 93
  3.3 無作為化――コイントスで「不可能」を「可能」に“フリップ”する 105
  3.4 因果ダイアグラムから眺める無作為化 110
  3.5 この章のまとめ 114

第 II 部 因果効果の推定手法

4 共変量に着目――層別化、マッチング、重回帰分析 123

  4.1 層別化と標準化で揃える 123
  4.2 マッチングで揃える 129
  4.3 重回帰分析で揃える 134
  4.4 この章のまとめ 140

5 「次元の呪い」の罠の外へ――傾向スコア法 144

  5.1 傾向スコア法――“割付けられやすさ”を表す合成変数 144
  5.2 傾向スコア法を使ってみよう 150
  5.3 傾向スコアによるマッチング 153
  5.4 マッチングは相手あってこそ 157
  5.5 この章のまとめ 159

6 共変量では調整できない、そんなとき――差の差法、回帰不連続デザイン 160

  6.1 差分データへの変換によるバランシング――差の差法 160
  6.2 処置の切替の境界を利用したバランシング 171
  6.3 この章のまとめ 175

7 データの背後の構造を利用する――操作変数法、媒介変数法 176

  7.1 外的なショックを利用する――操作変数法 176
  7.2 媒介変数法とフロントドア基準――中間変数を利用する 189
  7.3 この章のまとめ 175

第 III 部 「因果効果」が意味することと、しないこと

8 “処置Tの効果”を揺るがすもの 195

  8.1 「因果効果を媒介するもの」を考える 195
  8.2 “因果効果”を揺らす他の要因たち 200
  8.3 処置Tのコンテクスト依存性を考える 204
  8.4 測定されたその「処置T」は本当に「処置T」か 208
  8.5 この章のまとめ 211

9 エビデンス棍棒ではない――「因果効果」の社会利用に向けて 215

  9.1 その因果効果はどこまで一般化できるのか――ターゲット妥当性とバイアスの分解 215
  9.2 実世界での適切な利用へ向けて――「固有性の世界」と「法則性の世界」の往復 224
  9.3 「平均因果効果」が隠してしまうもの 229
  9.4 エビデンス棍棒ではない――結果の社会利用にあたって注意すべきこと 231
  9.5 この章のまとめ――RCTは最強ではないし、統計学は最強ではない 240

 

 巻末補遺A1 共変量Cの影響に対する“補正計算”としての重回帰 247
 巻末補遺A2 逆確率重み付け法の考え方 251

 

 参考文献 257
 あとがき 261
 索引 265

『多田道太郎:文学と風俗研究のあいだ』目次

山田稔黒川創(編)
(2023年12月2日刊行、編集グループSURE、京都, 174 pp., 本体価格2,400円, ISBNなし → 版元ページ

さくっと読了。こういうタイプの大学教員はまちがいなく “野生絶滅” している。


【目次】

第一部 多田道太郎とは何者だったか?[山田稔・荒井とみよ・藤原辰史・黒川創・瀧口夕美・北沢街子

はじめに 9
京大人文科学研究所、鶴見俊輔、「思想の科学」—— 黒川創報告 11
元「脱走兵」の戦後 20
明治学院大学国際学部と加藤典洋 26
現代風俗研究会でのスタンス 33
詩を読む人 37
「親切」の測り難さ 39
惚れ込みと、飽きっぽさ —— 討議の始まり 41
ボードレールは好きだったのか? 49
『物ぐさ道草』で書こうとしたこと 56
じゃまくさい、あとは知らんわ 61
「日本小説を読む会」が大学院だった 73
レトリックがすべて 84
体力のない男 92
異論とスキャンダル 99
小さくて軽いものについて 110
口述筆記のスタイル 115

第ニ部 「崩れ」という姿勢[鶴見太郎黒川創・瀧口夕美]

学部での初講義 121
「脱走兵崩れ」として 126
「忘れる」という美徳 131
「徹底した民主主義者になってほしい」 136
「崩れ」から見る世界 143

 

多田道太郎〉という謎 —— あとがきに代えて[山田稔] 155

 

多田道太郎 略年譜 163
多田道太郎 主な刊行書籍 169