『進化論の射程:生物学の哲学入門』

エリオット・ソーバー著[松本俊吉・網谷祐一・森元良太訳]

(2009年4月20日刊行,春秋社[シリーズ〈現代哲学への招待〉],東京,xii + 446 + 18 pp., 本体価格3,600円,ISBN:9784393323182目次版元ページ

長期にわたる訳業,たいへんお疲れさまでした.原書のぺらぺらなペーパーバックよりははるかに堅牢な造本で,カドが角のようにとんがってます.内容的には,『The Nature of Selection』(1984)や『Reconstructing the Past』(1988)から始まり,最新刊の『Evidence and Evolution』(2008)にいたる,「進化学の哲学」に関する著者の見解を踏まえた内容になっている.その意味で,翻訳書の『進化論の射程』というタイトルは,原書:Elliott Sober『Philosophy of Biology, Second Edition』(2000年1月刊行,Westview Press[Dimensions of Philosophy Series], Boulder, xviii+236 pp., ISBN:0813391261 [pbk] → 版元ページ)のいささか“無色”な原題よりも内容により即しているといえる.