『分子進化と分子系統学』

根井正利,S・クマー/根井正利[監訳・改訂]/大田竜也・竹崎直子[訳]

(2006年7月20日刊行,培風館,ISBN:4563078018



【目次】
まえがき(Masatoshi Nei, Sudhir Kumar) i
日本語版への序(根井正利) v
計算例 xi

第1章 進化の分子生物学的基礎 1

1.1 生命の進化系統樹 1
1.2 進化の機構 2
1.3 遺伝子の構造と機能 4
1.4 DNA配列の変化と突然変異 9
1.5 コドンとその使用頻度 12

第2章 アミノ酸配列の進化的変化 19

2.1 アミノ酸の違いとアミノ酸の異なるサイトの割合 20
2.2 ポアソン補正(PC)距離とガンマ補正距離 22
2.3 ブートストラップ分散と共分散 28
2.4 アミノ酸置換行列 30
2.5 突然変異率と遺伝子の置換速度 34

第3章 塩基配列の進化的変化 37

3.1 塩基配列間の違い 37
3.2 塩基置換数の推定 39
3.3 ガンマ補正距離 48
3.4 進化距離の推定 50
3.5 塩基配列のアラインメント 51
3.6 進化距離を推定する場合の配列ギャップの扱い方 55

第4章 同義および非同義塩基置換数 57

4.1 進化経路法 58
4.2 Kimuraのモデルに基づいた方法 70
4.3 コドンの第一,第二および第三ポジションでの塩基置換 76
4.4 最尤法による推定 78

第5章 系統樹 82

5.1 系統樹の種類 83
5.2 樹形の違い 91
5.3 系統樹作成法 93
5.4 系統樹作成法に関する論争 95

第6章 系統樹の推定:距離法 99

6.1 UPGMA 99
6.2 最小二乗(LS: least squares)法 106
6.3 最小進化(ME: minimum evolution)法 114
6.4 近隣結合(NJ: neighbor-joining)法 118
6.5 系統樹作成に適当な進化距離 127

第7章 系統樹の推定:最節約法 131

7.1 最節約(MP)系統樹の作成原理 133
7.2 MP系統樹の検索方法 139
7.3 コンセンサス系統樹 149
7.4 枝長の推定 151
7.5 加重節約法 153
7.6 アミノ酸配列を用いたMP法 159
7.7 共有派生形質 161

第8章 系統樹の推定:最尤法 169

8.1 ML法の計算手続き 169
8.2 塩基置換モデル 175
8.3 タンパクデータを用いた最尤法 184
8.4 最尤法の理論的基礎 187
8.5 特定の樹形でのパラメーター推定 188
8.6 ベイズ法による系統樹作成 189

第9章 系統樹の精度と統計的検定 193

9.1 最適化原理と樹形の誤り 194
9.2 内部枝検定 197
9.3 ブートストラップ検定 201
9.4 樹形の違いの検定 206
9.5 様々な系統樹作成法の長所と短所 209

第10章 分子時計と線形化系統樹 221

10.1 分子時計仮説 221
10.2 相対速度検定 226
10.3 系統樹を用いた検定 232
10.4 線形化系統樹 239
10.5 分子時計が成り立たない場合の進化時間の推定 244

第11章 祖先タンパクのアミノ酸配列と自然選択 247

11.1 祖先配列の推測:節約法 247
11.2 祖先配列の推測:ベイズ法 249
11.3 祖先の枝で生じた同義置換数と非同義置換数 258
11.4 各コドン・サイトにおける自然選択 264
11.5 収斂進化と並行進化 270

第12章 遺伝的多型と進化 279

12.1 遺伝的多型の進化的意義 279
12.2 遺伝子頻度データの解析 281
12.3 分集団における遺伝的多様性 285
12.4 多くの遺伝子座での遺伝的変異 294
12.5 DNA多型 300
12.6 自然選択を検出するための統計的方法 310

第13章 遺伝的マーカーによる集団系統樹 318

13.1 遺伝子頻度データのための遺伝距離 319
13.2 制限酵素による塩基配列の解析 330
13.3 RAPDデータの解析 341

第14章 将来への展望 347

14.1 統計的方法 347
14.2 ゲノム計画 348
14.3 分子生物学と進化 350

付録 353

A. 数学記号と数学表記 353
B. 地質年代 355
C. 新生代中生代の地質学的できごと 356
D. 化石データに基づく生物進化上のできごと 357


引用文献 358
訳者あとがき 389
事項索引 391
英語日本語対応リスト 403