伊藤龍平
(2018年8月3日刊行,青弓社,東京, 255 pp., 本体価格2,000円, ISBN:9784787220769 → 版元ページ)
日本だけでなく,著者が在住する台湾での妖怪譚をも踏まえて書かれている点で興味が湧く.
【目次】
序 妖怪の詩的想像力 11
1 ビシャガツクに遭った夜 11
2 妖怪感覚と命名技術 14
3 五官に感じる妖怪 17
4 名辞以前の恐怖 20第1章 花子さんの声、ザシキワラシの足音 29
1 見えない花子とザシキワラシ 29
2 闇に這い回るもの 35
3 「聴覚優位の時代」の妖怪 41第2章 文字なき郷の妖怪たち 50
1 烏来《ウーライ》古老聞き書き 50
2 言葉を奪うウトゥフ 56
3 魂のゆくえ 62第3章 「化物問答」の文字妖怪 71
1 「しろうるり」と「ふるやのもり」 71
2 「文字尊重の時代」の妖怪たち 78
3 妖怪と識字神話 85第4章 口承妖怪ダンジュウロウ 98
1 話された妖怪 98
2 ダンジュウロウと団十郎 104
3 「伝統」の発見と妖怪 110第5章 狐は人を化かしたか 121
1 「迷わし神型」の妖狐譚 121
2 狐狸狢、冤罪説 127
3 妖怪体験と解釈のレベル 133第6章 台湾の妖怪「モシナ」の話 145
1 「お前さんはモシナかい?」 145
2 モシナの事件簿 151
3 「鬼」化するモシナ 158第7章 東アジアの小鬼たち 170
1 お人よしの水鬼 170
2 『台湾風俗誌』の鬼神たちと、沖縄のキジムナー 176
3 韓国人アイデンティティーとトケビ 183第8章 「妖怪図鑑」談義 195
1 ある妖怪絵師の死 195
2 水木少年はベトベトさんに遭ったか 202
3 妖怪図鑑の思想――『琉球妖怪大図鑑』 208第9章 妖怪が生まれる島 221
1 台湾「妖怪村」探訪記 221
2 赤い服の女の子は、なぜいない?――『台湾妖怪図鑑』 229
3 台湾の妖怪学――『妖怪台湾』 235初出・関連論文、随筆一覧 248
あとがき――天狗に遭った先祖 251