ピップ・ウィリアムズ[最所篤子訳]
(2022年10月2日刊行、小学館、東京, 526 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-09-356735-0 → 目次|版元ページ)
この小説は、『オックスフォード英語大辞典(OED)』の辞書製作を中心にして、オックスフォードの「写字室(スクリプトリウム)」に集まった編纂チームと印刷・造本を担ったクラレンドン出版局(Oxford at the Clarendon Press)での人間模様を描いた小説だ。しかし、小説とはいえ、架空の人間と実在する人間が混ざり合い、19世紀末から第一次世界大戦にかけてのオックスフォード大学出版局(Oxford University Press)の歴史を踏まえたストーリー展開はとても読み応えがある。ふだんは小説を読む習慣がほとんどないワタクシが最後まで読み通したのだから嘘偽りはない。主人公エズメ・ニコルは、OED編集主幹のジェームズ・マレーら男中心の編纂体制ではふるい落とされてしまう “女ことば” を集めた辞典をつくろうとする。
エズメがつくった辞書と彼女が関わった人々は、次作である:ピップ・ウィリアムズ[最所篤子訳]『ジェリコの製本職人』(2024年12月2日刊行、小学館、東京, 554 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-09-356747-3 → 目次|版元ページ)にも登場する。女どうしのつながり( “シスターフッド” )を共通のキーワードとするこの連作小説は2冊合わせて千ページを超える。
ピップ・ウィリアムズ[最所篤子訳](2022年10月2日刊行、小学館、東京, 526 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-09-356735-0 → 目次|版元ページ)
この小説は、『オックスフォード英語大辞典(OED)』の辞書製作を中心にして、オックスフォードの「写字室(スクリプトリウム)」に集まった編纂チームと印刷・造本を担ったクラレンドン出版局(Oxford at the Clarendon Press)での人間模様を描いた小説だ。しかし、小説とはいえ、架空の人間と実在する人間が混ざり合い、19世紀末から第一次世界大戦にかけてのオックスフォード大学出版局(Oxford University Press)の歴史を踏まえたストーリー展開はとても読み応えがある。ふだんは小説を読む習慣がほとんどないワタクシが最後まで読み通したのだから嘘偽りはない。主人公エズメ・ニコルは、OED編集主幹のジェームズ・マレーら男中心の編纂体制ではふるい落とされてしまう “女ことば” を集めた辞典をつくろうとする。
エズメがつくった辞書と彼女が関わった人々は、次作である:ピップ・ウィリアムズ[最所篤子訳]『ジェリコの製本職人』(2024年12月2日刊行、小学館、東京, 554 pp., 本体価格3,200円, ISBN:978-4-09-356747-3 → 目次|版元ページ)にも登場する。女どうしのつながり( “シスターフッド” )を共通のキーワードとするこの連作小説は2冊合わせて千ページを超える。