岡村民夫
(2024年10月30日刊行、水声社[水声文庫]、東京, 290 pp., 本体価格2,800円, ISBN:978-4-8010-0829-8 → 版元ページ)
冒頭の第1〜2章の約120ページは漱石の温泉文学論に当てられている:「夏目漱石こそ『本格温泉小説』の開祖と考えられるのだ」(p. 80)。漱石の温泉文学については、十数年前に読んだ:川村湊『温泉文学論』(2007年12月20日刊行,新潮社[新潮新書・243], 東京, ISBN:978-4-10-610243-1 → 目次|版元ページ)にも登場した。その本では漱石の満州・韓国の温泉論・温泉紀行が取り上げられていた。
【目次】
序章 浴する文学 11
第1章 夏目漱石 一 ―― 『坊っちやん』『草枕』『二百十日』 37
コラム① 銭湯と温泉のあいだで 83
第2章 夏目漱石 二 ―― 『思ひ出す事など』『行人』『明暗』 87
コラム② 温泉絵画史序説 116
第3章 川端康成 ―― 『伊豆の踊子』『温泉雑記』『雪国』 121
コラム③ 近代温泉文学ツーリズム事始 168
第4章 宮沢賢治 ―― イーハトーブ火山帯にて 173
コラム④ 浴する動物たち 223
終章 ギー・ド・モーパッサン ――『モン゠オリオル』 227
コラム⑤ 温泉ホテルと遊園地型温泉 266
注 271
あとがき 287