『人類冬眠計画:生死のはざまに踏み込む』目次

砂川玄志郎
(2022年4月14日刊行,岩波書店[岩波科学ライブラリー・311],東京, viii+112+3 pp., 本体価格1,200円, ISBN:978-4-00-029711-0版元ページ


【目次】
はじめに iii
第1章 冬眠との出会い 1
第2章 睡眠研究から休眠研究へ 17
第3章 冷たいことにはわけがある 37
第4章 哺乳類を冷たくするには 61
第5章 人工冬眠を目指し 81
おわりに 107
参考文献 [1-3]

『動物園を考える:日本と世界の違いを超えて』目次

佐渡友陽一
(2022年3月15日刊行,東京大学出版会,東京, vi+165 pp., 本体価格2,700円, ISBN:978-4-13-062232-5版元ページ

オビ寄稿の川端裕人さんの動物園本:川端裕人・本田公夫『動物園から未来を変える:ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン』(2019年3月5日刊行,亜紀書房,東京, 279 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7505-1567-0版元ページ時事通信社から書評配信:2019年5月)はとてもおもしろかった.


【目次】
はじめに――少し長めの自己紹介と問題提起 i

第1章 動物園と動物園学の課題 1

1.1 動物園とはなにか 1
1.2 だれが動物園に来ているのか 5
1.3 4つの目的論から保全へ 7
1.4 動物園への批判と動物福祉の取り組み 11
1.5 職場としての動物園 15
1.6 動物園学とその課題 19
1.7 第1章のまとめ 22

第2章 現代日本の動物園 24

2.1 動物の展示 24
2.2 飼育と動物福祉 29
2.3 収集と保全、調査研究 36
2.4 レクリエーションと教育、パブリック・リレーションズ 42
2.5 動物園の設置者と法律 51
2.6 動物園の経営と園長 54
2.7 第2章のまとめ 59

第3章 欧米の動物園 61

3.1 ヘンリードーリー動物園(米国オマハ市) 61
3.2 米国の動物園を巡って 65
3.3 ブロンクス動物園からロードサイドZooまで 70
3.4 ドイツ語圏の動物園を巡って 73
3.5 日米独の動物園比較 78
3.6 第3章のまとめ 83

第4章 動物園の歴史 85

4.1 世界の近代動物園とドイツ語圏・米国の動物園 85
4.2 日本の動物園のはじまりと動物園ブーム 90
4.3 保全と動物福祉への傾倒 96
4.4 日本の動物園の蓄積と課題 100
4.5 第4章のまとめ 105

第5章 動物園の役割とあり方 107

5.1 理解しきれない「動物」と私たち人間という存在 107
5.2 日本と欧米の社会的背景の違い――グローバリズムローカリズム 113
5.3 動物の実在の確認――子どもにとっての動物園 120
5.4 子育て支援――親にとっての動物園 126
5.5 思い出の世代間継承――高齢者にとっての動物園 129
5.6 人間の資源配分の方法と限界 132
5.7 なぜ動物園は保全を訴えるべきなのか 137
5.8 動物園は動物福祉とどう向き合うべきか 140
5.9 これからの日本の動物園のあり方 145
5.10 第5章のまとめ 150

 

おわりに 153
さらに学びたい人へ 157
主要参考文献 160
索引 163

『天使突抜おぼえ帖』目次

通崎睦美
(2022年4月30日刊行,集英社インターナショナル,東京, 382 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-7976-7410-1版元ページ

ご恵贈まことにありがとうございます.通崎さんの “天使突抜本” としては,地元の淡交社から20年前に出た『天使突抜一丁目:着物と自転車と』(2002年12月4日刊行,淡交社,京都, 165 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-473-03728-2版元ページ),同じく10年前の『天使突抜367』(2011年3月14日刊行,淡交社,京都, 143 pp., 本体価格1,400円, ISBN:978-4-473-03728-2版元ページ)に続く3冊目の最新巻.さあ,これでローカル地名 “天使突抜” ——ふつう誰も読めへんて——は全国メジャーになるか.


【目次】
序 うちの洗濯カゴ 6

第一部 天使突抜の人々 11

 照子さんの塩昆布 12
 花売りのおばさん 38
 奥方のレッスン 50
 角打ちとヴェルディ 66
 還暦越えの生徒さん達 75
 満永小百合さんのこと 102

第二部 記憶を紡ぐ 155

 三つ子の魂、できあがる 156
 お前、通崎と結婚せい 175
 マリンバ手習い、お寺から 187
 ベートーヴェン交響曲第七番』 200
 アンティーク着物に魅せられて 225
 私の文章ことはじめ 235

第三部 通崎家の京都百年 265

 富山から京都へ 266
 乾柿と銀杏 288
 満洲帰りの少女 308
 どちらでも 325
 三度の救急車 344

 

おわりに 374
写真解説 380

『「その他の外国文学」の翻訳者』読了

白水社編集部(編)
(2022年2月28日刊行,白水社,東京,227 pp., 本体価格1,900円, ISBN:978-4-560-09888-2目次版元ページ

読了.最終章「チェコ語」に登場する阿部賢一千野栄一に教わったとのこと.同じ白水社からかつて出た新書:千野栄一ビールと古本のプラハ』(1997年8月20日刊行,白水社白水uブックス・1040],東京, 187 pp., ISBN:4-560-07340-6書評)は印象深い本だった.

『Index, A History of the: A Bookish Adventure』読書進捗(1)

Dennis Duncan
(2021年9月刊行,Allen Lane / Penguin Books, London, xii+340 pp., ISBN:978-0-241-37423-8 [hbk] → 目次版元ページ

地道に読み進めている.「Introduction」(pp. 1-17)冒頭から「索引のない本なんて想像できるか」と書かれていて,首がもげそうなほどうなずいている.単に「Ctrl+F」ですむ話ではない.続く第1章「Point of Order — On Alphabetical Arrangement」(pp. 19-47)では,アルファベット順の「目次(index)」のもつ機能と「目次作成者(indexer)」の深謀遠慮(あるいは陰謀)について,さまざまな事例を散りばめながら論じられている.

第2章「The Birthes of the Index — Preaching and Teaching」(pp. 49-84)からは「目次」の歴史をたどる.13世紀イングランド神学者 Robert Grosseteste は「tabula」を用いて書物に記された概念と体系を整理しようとした.また,同時代のフランスの神学者 Hugh of St Cher も用語索引(コンコーダンス)を発明した.目次(table of contents)は本の内容を順序立てて示すのに対し,索引(index)は順序にはこだわらない.たとえば,Grosseteste が作成した「Tabula distinctionum」(p. 70)は “事項索引” に相当するものだった.それは一冊の本にとどまらず,複数の関連本の索引でもあった.13世紀に同時多発的に生じた「索引」というシステムは,読書(読者)のための “位置づけ(locate)” の便宜を図るためにあった.

『Continuants: Their Activity, Their Being, and Their Identity』目次

David Wiggins
(2016年11月刊行,Oxford University Press, Oxford, xxii+239 pp., ISBN:978-0-19-871662-4 [hbk] → 版元ページ


【目次】
Preface v
Sources viii
Introduction ix
1. Identity, Individuation and Substance 1
2. On Being in the Same Place at the Same Time 33
3. Substance 41
4. The Person as Object of Science, as Subject of Experience, and as Locus of Value 71
5. Sameness, Substance and the Human Person 87
6. Heraclitus’ Conceptions of Flux, Fire and Material Persistence 99
7. The Concept of the Subject Contains the Concept of the Predicate 128
8. Putnam’s Doctrine of Natural Kind Words and Frege’s Doctrines of Sense, Reference, and Extension: Can They Coherea? 150
9. The De Re ‘Must’ , Individuative Essentialism and the Necessity of Identity 165
10. Mereological Essentialism: Asymmetrical Essential Dependence and the Nature of Continuants 191
11. Sortal Concepts: A Reply To Xu 201
12. Activity, Process, Continuant, Substance, Organism 211

 

Bibliography of David Wiggins’s Writings 221
Bibliography of Other Writings Referred to 227
Index 235

『Continuants: Their Activity, Their Being, and Their Identity』

David Wiggins
(2016年11月刊行,Oxford University Press, Oxford, xxii+239 pp., ISBN:978-0-19-871662-4 [hbk] → 版元ページ

何もこんなキケンな本を取り寄せなくてもよかったかもしれない.しかし Wiggins 本は読む読まないに関係なく “積ん読” に意義がある.本書は,横路佳幸『同一性と個体:種別概念に基づく統一理論に向けて』(2021年8月20日刊行,慶應義塾大学出版会,東京, 450 pp., 本体価格6,000円, ISBN:978-4-7664-2760-8目次版元ページ)に引用されていた.これで Wiggins の “ソータル本” シリーズ 1967, 1980, 2001 に続く4冊目が揃ったことになる.「で,いつ読むねん?」と訊かないでください.形而上学存在論の本はどれもこれもコワいので,居室の書棚の上の方にまとめて隔離している.ときどき “黒い邪気” が立ち上っているようだが,できるだけ見ないようにしている.

『「その他の外国文学」の翻訳者』目次

白水社編集部(編)
(2022年2月28日刊行,白水社,東京,227 pp., 本体価格1,900円, ISBN:978-4-560-09888-2版元ページ

登場するのは:ヘブライ語チベット語ベンガル語・マヤ語・ノルウェー語・バスク語タイ語ポルトガル語チェコ語.マイナー言語にハマっていった経緯が興味深い.


【目次】
「その他」の側から世界を見る(斎藤真理子) 3
ヘブライ語 (鴨志田聡子) 11
チベット語 (星泉) 35
ベンガル語 (丹羽京子) 57
マヤ語 (吉田栄人) 81
ノルウェー語 (青木順子) 105
バスク語 (金子奈美) 131
タイ語 (福冨渉) 155
ポルトガル語 (木下眞穂) 181
チェコ語 (阿部賢一) 207