『同一性と個体:種別概念に基づく統一理論に向けて』目次

横路佳幸
(2021年8月20日刊行,慶應義塾大学出版会,東京, 450 pp., 本体価格6,000円, ISBN:978-4-7664-2760-8版元ページ

去年の夏に出たのはもちろん知っていた.David Wiggins の sortal 概念の存在論的再検討とか,ワタクシが逃げ切れるはずがない.夢枕に立ったので観念して購入.


【目次】

序論 7

 1 本書のテーマ 7
 2 本書の目標と意義 11
 3 五つの留意点 16
 4 本書の構成とマニフェスト 23

第1章 予備的考察――種別概念をめぐる諸前提 29

 1 三つの前提 31
 2 種別概念小史――アリストテレス・ロック・ストローソン 33
 3 種別概念の役割――種別的同一性規準の提供 43
 4 種別的同一性規準のちょっとした敷衍 51
 5 種別概念の分類――実体的なものと制限的なもの 61
 6 種別概念の射程――裸の個体の不在 71
 7 諸前提のベクトル和 76

第2章 同一性関係の形而上学――相対主義から種別論的な絶対主義へ 79

 1 根本的な疑問 81
 2 同一性のウィギンズ的な解明 86
 3 解明の系譜と「形而上学」 89
 4 同一性の諸特徴 96
 5 同一性の相対主義――ロックとギーチ 105
 6 数え上げとパラドクス――フレーゲとギーチ 116
 7 フレーゲの分析 124
 8 普遍的な種別論の拒否? 131
 9 種別的多元論 139
 10 存在論上のデフレ主義? 149
 11 相対主義のジレンマ 157
 12 根拠付け問題と恣意性問題 161
 13 同一性の種別論的な絶対主義(1)――絶対性とライプニッツの法則 167
 14 同一性の種別論的な絶対主義(2)――架橋原理と同一性規準 174
 15 相対主義から種別論的な絶対主義へ 183

第3章 同一性表現の意味論――バトラーの区別を擁護する 187

 1 バトラーの区別 189
 2 同一性表現の関係項 193
 3 チザムの解釈 202
 4 バクスターの解釈 208
 5 ギーチ的な意味論上の相対主義 213
 6 カプラン的意味論から非指標的文脈主義へ 221
 7 同一性表現の非指標的文脈主義 230
 8 内包オペレーターの不在? 238
 9 パラメーターを措定する根拠 243
 10 非指標的文脈主義における理論的恩恵 249
 11 ギーチの固有名論 253
 12 固有名の指標主義 258
 13 同一性言明の真理条件と顕性種別概念 266
 14 バトラーの区別を擁護する 271

第4章 認知的な個別化の認識論――認識的な種別概念主義の一形式 277

 1 アリストテレス的なテーマの継承 279
 2 認識的な種別概念主義――ストローソン・ウィギンズ・ロウ 283
 3 二種類の反論 287
 4 どれであるかの知識 294
 5 認知的な個別化のラッセルの原理 301
 6 証拠としての種別概念の知覚 307
 7 叙実主義的で証拠主義的な種別概念主義 315
 8 第一の反論への応答――証拠の叙実性 323
 9 第二の反論への応答――「個別化」の多義性 328
 10 認識的な種別概念主義の一形式 337

第5章 個体の形而上学――多元性・構成・統一性 341

 1 種別的多元論再訪 343
 2 ベイカーの構成主義 346
 3 構成主義への不満 351
 4 形相による基礎付けとしての構成 354
 5 メレオロジカルな統一性としての構成 364
 6 質料形相論的な構成主義(1)――その定義と貢献 374
 7 質料形相論的な構成主義(2)――疑問への応答 379
 8 形相の輪郭 388
 9 ウィギンズ的な解明への逆照射 393
 10 多元性・構成・統一性 397
 付論 概念主義的実在論に向かって 399

結論 「同一性」の種別的親和性アプローチ 411

あとがき 417
参考文献 421
テーゼ索引 441
人名索引 443
事項索引 446