2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『恐竜はなぜ鳥に進化したのか:絶滅も進化も酸素濃度が決めた』

ピーター・D・ウォード[垂水雄二訳] (2008年2月15日刊行[近刊],文藝春秋,ISBN:9784163699608) 原書は:Peter D. Ward『Out of Thin Air: Dinosaurs, Birds, and Earth's Ancient Atmosphere』(2006年刊行,The National Academies Press [A Joseph …

『百学連環:百科事典と博物図譜の饗宴』

(2007年刊行,印刷博物館,ISBNなし → 印刷博物館ページ) 昨年9月から12月にかけて印刷博物館で開催されていた同名の企画展示の出版物.チケットをもらっていて行くつもりだけはあったのだが,飯田橋に向かうことができなかった.この企画展は,雑協・書協…

『月刊みすず』2008年1/2月合併号[第50巻第1号:通巻557号]

(2008年2月1日発行,みすず書房 → 版元サイト) 今年の「読書アンケート特集」 —— ここ数年,毎年寄稿しているので恒例年中行事の一つになりつつある.ぼくのセレクションは,pp.62〜64 に載っている.100名を越える他の寄稿者の書評文はそのうち読むことに…

『江戸俳画紀行:蕪村の花見,一茶の正月』

磯辺勝 (2008年1月25日刊行,中央公論新社[中公新書1929], ISBN:9784121019295) 江戸時代の代表的な俳人22人をとりあげ,その俳句に添えられた俳画を論じた本.カラー口絵といい,本文中に挿入されたモノクロの絵といい,そこはかとなく“脱力系”な絵柄…

『ゲルニカ:ピカソが描いた不安と予感』

宮下誠 (2008年1月20日刊行,光文社[光文社新書335], ISBN:9784334034368) 本書は,ピカソの〈ゲルニカ〉という一枚の絵の成り立ちから読み込みまでを一冊を費やして論じている.読まないうちから引いていたりして……. 【目次】 はじめに 3 第1章 神話…

『系統樹思考の世界:すべてはツリーとともに』反響(73)

三中信宏 (2006年7月20日第1刷刊行|2006年8月4日第2刷刊行,講談社[現代新書1849],ISBN:4061498495→詳細目次|反響録) 今日は立春だ.雪が降った昨日が寒かっただけに,今日の日射しは春を感じさせてくれた —— 知行合一日記(2008/02/04)[言及]http…

『香りの愉しみ,匂いの秘密』

ルカ・トゥリン(山下篤子訳) (2008年1月30日刊行,河出書房新社,ISBN:9784309252193) 著者は“香水の帝王”だそうだ.それだけでもうなんだか“ちょいワル”な雰囲気が匂ってくるのだが,確かに冒頭から快楽的・山師的なアヤシサが行間から香ってくる.もち…

『レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図集』

松井喜三(編) (1971年6月20日刊行[2001年4月10日新装版],みすず書房,ISBN:4622049937) レオナルド解剖図集の入手について,昨日の駒場講義のあとで質問された.東大であれば,駒場でも本郷でも本書は図書館に入っている(いずれも初版).ちなみに,…

『東京の階段:都市の「異空間」階段の楽しみ方』

松本泰生 (2007年12月30日刊行,日本文芸社,ISBN:9784537255454) 【書評(まとめて)】実にすばらしい! ほかならない「階段」を被写体とする写真集だ.思い起こせば,伏見稲荷の全山を取り巻く真っ赤な鳥居に覆われた神域階段に始まり,渋谷・丸山町から…