『蕎麦屋の系図』

岩崎信也
(2003年8月15日刊行,光文社新書111,ISBN:4334032117



蕎麦が喰いたくなる本.第1章は蕎麦の文化史.第2章は,大阪にルーツをもつと推測される老舗〈砂場〉の系譜.各章ごとに「蕎麦屋系統樹」が載っているのがよろし.第3章以降は,東京の名店〈更科〉と〈薮〉,そして北海道の〈東屋〉,さらに足利の〈一茶庵〉の系譜を順にたどる.〈薮〉発祥の地が文京区千駄木の団子坂だったとはね.蕎麦名店の系図に沿って,蕎麦職人の技と味がどのように伝承されてきたかが語られる.高崎にいた頃によく行った,高前バイパスから入ったところにある問屋町の〈そばきり〉と中山峠の上にある〈一期一会〉がどちらも〈一茶庵〉の系譜に属する蕎麦屋とは知らなかった.