『祖先の物語(上・下)』

リチャード・ドーキンス(垂水雄二訳)

(2006年9月20日刊行,小学館ISBN:4093562113 [上] / ISBN:4093562121 [下]



原書でも500ページ超(イギリス版)とか600ページ超(アメリカ版)なのだから,日本語訳が上下2分冊の計900ページ超という超弩級になるのもムリはない.翻訳作業はさぞたいへんなことだっただろうと推測する.全編,系統樹(the Tree of Life)のお話だ.

訳者あとがきにはこう書かれている ——




原書では写真はオールカラーで,図表その他にもふんだんにカラーが使われているが,日本語版では,残念ながらコストの関係ですべてモノクロにせざるをえなかった.(下巻,p. 430)



そんなバカな! ぼくがもっている「アメリカ版」Richard Dawkins『The Ancestor's Tale : A Pilgrimage to the Dawn of Evolution』(2004年,Houghton Mifflin, ISBN:0618005838)のハードカバー版は図表がもともとすべてモノクロだぞ.念のため,「イギリス版」Richard Dawkins『The Ancestor's Tale : A Pilgrimage to the Dawn of Evolution』(2004年9月2日刊行,Weidenfeld Nicolson Illustrated, ISBN:0297825038)のハードカバー版を amazon.co.uk でオンライン立ち読みして,卒倒してしまった.なんと,図表がオールカラーなのはイギリス版だけだった.あんまりじゃないか,Houghton Mifflin 社!

泣く泣く,イギリス彩色版をオンラインで再注文したのは言うまでもない(おいおい).英国版と米国版でダストジャケットやタイトルがちがったりしたことは今まであったが,図版がぜんぶ差し替えられているというのは初めての経験だ.

—— 【痛い教訓】これから『The Ancestor's Tale 』の原書を買おうという人は,まちがっても amazon.com買ってはいけないamazon.co.uk から買うように.くっそー(涙).