『自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』

キャロル・キサク・ヨーン[三中信宏・野中香方子訳]

(2013年9月3日刊行,NTT出版,東京,vi+391 pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784757160569版元ページe-hon7-netamazonhonto楽天

昨日,東京ミッドタウンにて見本刷を手にしてホッとする.







【目次】
第1章:「存在しない魚」という奇妙な事例 3
  人類普遍である環世界センス(umwelt)が生物分類を支配する.


自然の秩序 27

第2章:若き預言者 29
  リンネの分類理論と命名規約は環世界センスの発露である.
第3章:フジツボの奇跡 62
  ダーウィンの登場により自然の秩序は “血縁化” された.
第4章:底の底には何が見えるか 93
  マイアーの進化分類学は環世界センスを奥深く温存した.


直感の輝き 133

第5章:バベルの塔での驚き 135
  民俗分類は不文律としての環世界センスの属性を明らかにした.
第6章:赤ちゃんと脳に損傷を負った人々の環世界 169
  共有された生命観の個体発生と病的な分類不能症からわかること.
第7章:ウォグの遺産 197
  どんな生きものでも環世界センスによる分類能力はある.


科学の重圧 219

第8章:数値による分類 221
  数量表形学は数値さえあれば環世界センスは生物分類学には不要だと言った.
第9章:よりよい分類は分子から来たる 250
  分子分類学は不可視の分子情報こそ生物分類学にとって必須だとみなした.
第10章:魚類への挽歌 279
  分岐分類学は厳密な系統推定の論理こそ生物分類学のよりどころだと暴れた.


直感の復権 315

第11章:奇妙な場所 317
  環世界センスは生物多様性を認識するうえで確かに役に立っている.
第12章:科学の向こう側にあるもの 337
  科学によって追放された環世界センスが分類学に再降臨するとき.


原註 356
謝辞 374
訳者あとがき「環世界センス —— 生物分類は科学なのか身体なのか」[三中信宏] 377-382
索引 [391-383]