オットー・ノイラート[永原康史監訳|牧尾晴喜訳]
(2017年6月22日刊行,ビー・エヌ・エヌ新社,東京,319 pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784802510653 → 版元ページ)
ご恵贈感謝.ノイラートの主著:『International Picture Language(国際図説言語)』(1936),『Basic by Isotype(アイソタイプによるベーシック英語)』(1937),そして『Modern Man in the Making(近代人の形成)』(1939)全図版の三冊を合本した翻訳.
監訳者の序論「アイソタイプの科学 ―― ふたたび世界を見る窓として」によれば,ノイラートはハンス・ハーンおよびルドルフ・カルナップとともに1929年に「科学的世界把握 ―― ウィーン学団」なる文書を公表し,これをもって「ウィーン学団」が正式に発足した.このウィーン学団の統一科学運動と連動して,ノイラートは世界共通語としての「アイソタイプ(ISOTYPE: International System Of TYpographic Picture Education)」と「ベーシック英語(BASIC English: British American Scientific International Commercial English)」の体系構築を進めたとのことだ.
本書『ISOTYPE』は,『International Picture Language』と『Basic by Isotype』は黒赤二色刷り,『Modern Man in the Making』は多色刷りで印刷されていて,とてもヴィジュアルな本に仕上がっているので,眺めるだけでも楽しめるだろう.ワタクシ的には統計グラフィクス論が気になる.
なお,ノイラートの遺作となった自叙伝は「完全版」がすでに刊行されている:Otto Neurath[Edited by Matthew Eve and Christopher Burke]『From Hieroglyphics to Isotype: A Visual Autobiography』(2010年9月16日刊行,Hyphen Press, London, xxxii+192 pp., ISBN:9780907259442 → 目次|版元ページ).
【目次】
アイソタイプの科学 ―― ふたたび世界を見る窓として(永原康史) 4『International Picture Language: The First Rules of Isotype(国際図説言語)』 16
NOTE 17
国際言語への問いかけ 23
補助言語としてのアイソタイプ 27
視覚による教育 32
アイソタイプシステムの要点 37
図記号 40
図記号を組み合わせる 58
図表を展示する 72
統計図に関する特別なルール 79
統計図における幾何図形 96
最初のデザイン,世界図絵,百科全書 109
アイソタイプについての見解 116
アイソタイプに関する文献 119『Basic by Isotype(アイソタイプによるベーシック英語)』 120
『Modern Man in the Making(近代人の形成)』240
過去と現在 242
人類の統一 246
近代化に向けたトレンド 259
世界の状態 275
社会環境 295
人の日常 307