福永真弓
(2019年12月5日刊行,東京大学出版会,東京, xxii+463+iv pp., 本体価格6,300円, ISBN:978-4-13-060322-5 → 版元ページ)
【目次】
はじめに i
第1章 去りゆくカワザケ,進む家魚化 1
1.1 「サケ」とはどんな生きものか 21.2 カワザケと増殖――二つの補助線 18
第2章 空間を囲い込む――近世宮古湾の「サケを獲る人びと」 34
2.1 サケの生態空間を囲い込む 362.2 境界線を引き直す――サケの生活史の把握と繁殖保護 49
2.3 サケを「わたしたちのもの」に 62
第3章 増やす――近代日本と資源増殖 68
3.1 資源増殖という新しい柱 713.2 水産行政と人工ふ化放流技術 80
3.3 繁殖保護から増殖へ 87
3.4 中央と地方――人工ふ化放流技術の公益性 104
第4章 サケと漁場を取り戻す――人工ふ化放流技術の導入 110
4.1 旧慣と入札制 1114.2 空間の再所有を目指して 118
4.3 在地型人工ふ化放流システムの形成 133
第5章 在地である――サケのムラの誕生 142
5.1 増殖重点化の始まり(大正・昭和初期) 1435.2 サケのムラの誕生――生活文化の再編成 151
5.3 「繁殖保護=増殖」とサケのムラ 160
第6章 獲る――沿岸から遠洋へ 166
6.1 獲る漁業の再生と資源をつくる増殖の重点化 1676.2 獲る漁業と宮古湾 183
第7章 獲るためにつくる――戦後のサケをつくる方法と制度 202
7.1 政策交渉の道具としての増殖 2037.2 つくる制度――科学と数 214
7.3 数のためのサケをつくる――増殖技術の探求 226
7.4 サケをつくる技術とモノ化の進展 235
7.5 数をつくるシナリオの拡充――二〇〇海里時代の到来 250
7.6 駆動する増殖レジーム――カワザケからギンケへ 264
7.7 「わたしたちのモノ」化したサケ 267
第8章 沿岸を「つくりそだてる」――栽培漁業と増殖 278
8.1 沿岸の歪みと「つくる」シナリオの必要性 2808.2 栽培漁業に含まれる二つの思想 292
8.3 沿岸における増殖体制の確立 297
第9章 もう一つの戦後――土地にサケが根づくということ 301
9.1 戦後の津軽石とサケ――在地性の再編成 3029.2 サケは「わたしたちのもの」 320
第10章 離れゆく――間(あわい)からの退出 324
10.1 ある津軽石の冬の朝から 32610.2 岩手県の増殖レジーム受容 331
10.3 増殖レジームの受容とローカル化 337
10.4 去りゆくカワザケ 356
第11章 増殖から再生へ――生を分有する責任 381
11.1 何が起こってきたのか――食卓の上の野生化と家魚化 38411.2 増殖レジームを再考する 386
11.3 増殖をサケから再考する――カワザケの再生 402
11.4 間(あわい)に身を置くサケ 412
11.5 想像から縁を再び結び直す 421
おわりに 439
参考文献 447
索引 [i-iv]