『AIジャーナル』電子復刻計画

かつてワタクシも寄稿したことがある雑誌『AIジャーナル』(1985〜87)が年内に電子復刻されることになり,著者側の公開手続きの依頼があった.『bit』誌などを含む古い技術雑誌の電子復刻計画のひとつとのこと.さっそく手続きを完了した.当時,ワタクシは学位取得直後の27歳で,職もなくゆらゆらしていたとき,『AIジャーナル』編集部から電話があった.「生物分類学に関する連載を」との原稿依頼を受けて,〈生物分類学復権〉というタイトルで隔月連載(計6回)書かせてもらい,生まれて初めて原稿料なるものをいただいた.

その頃のワタクシはまだ “悪行” に手を染めてはおらず,まったくの無名だった.担当編集者だった田柳恵美子さん(現・はこだて未来大学)に「いったいどなたからワタクシのことを?」と訊いたところ,「柴谷篤弘先生からご紹介いただきました」とのこと.柴谷さんは生前けっきょく一度も会う機会がなかったが,この点では深く感謝している.おそらく前年1985年に出たワタクシの『生物科学』総説記事を柴谷さんが見たのがきっかけなのだろうと推測している.どこの馬のホネとも知れない院生(OD)に雑誌連載の仕事をまわしてくれた “ビッグネーム” は太っ腹だったんだなあ.

ワタクシの1986年連載〈生物分類学復権〉は下記の通り:

  1. 「生物分類学を取り巻く新たな状況」AIジャーナル, (2): 95-97, 1986
  2. 「分類と系統」AIジャーナル, (3): 75-77, 1986
  3. 「オッカムのかみそり」AIジャーナル, (4): 87-89, 1986
  4. 「種と個体性」AIジャーナル, (5): 108-110, 1986
  5. 「歴史言語学と系統再構成」AIジャーナル, (6): 58-61, 1986
  6. 「生物地理学と地域の分類」AIジャーナル, (7): 85-88, 1986



[追記:2021年8月5日]電子化完了.IDとパスワードが権利者限定で公開された.