『シカの顔、わかります:個性の生態学』目次

南正人
(2022年2月15日刊行,東京大学出版会,東京, x+232+9 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-13-063954-5版元ページ

カバージャケットにずらりと並ぶのは “チャーノフの顔” ならぬシカの顔.30年余り前に京大出版会から出た:片野修『個性の生態学:動物の個性から群集へ』(1991年11月刊行,京都大学学術出版会[生態学ライブラリ・I],京都, ISBN:9784876980024版元ページ)を一瞬思い出した.


【目次】
はじめに i

第1章 そんなに違う? シカの顔――個性に迫る 3

1 金華山という島 3
2 シカに名前をつける 8
3 行動を観察する 20
4 身体を測定する 27
5 長期調査をする 33

第2章 雌のためならなんでもします?――雄の闘い 37

1 哺乳類の雄 37
2 なわばり雄 38
3 雌の立場 49
4 弱い雄の作戦 63
5 鳴き声による闘い 72
6 闘いのコスト 80
7 発情を終えて 84
8 子どもを残せる条件 87

第3章 お母さんと一緒がよいけれど――誕生と成長 91

1 出産 91
2 幼獣の生活 95
3 子育てと成長 98

第4章 婆ちゃん、母ちゃん、姉ちゃん、女系家族のいろいろ――家族関係 110

1 大家族と小家族 110
2 家族の絆と対立 118
3 雄の社会 125
4 鳴き声によるコミュニケーション 128

第5章 子どもを残すのはたいへん――雌の生涯・雄の生涯 133

1 最期のとき 133
2 雌の生き方 140
3 雌の生涯 148
4 雄の生き方 152
5 雄の生涯 156
6 子どもの性別 159

第6章 人との長いおつきあい――シカと人間の関係 162

1 人に馴れたシカ 162
2 歴史のなかで 167
3 野生とは 173

第7章 ひとりでは生きられない――個体から個体群、そして環境との関係 177

1 繁栄する家系・滅びる家系 177
2 シカと植物 184
3 環境とシカの生活 191

第8章 シカに教えてもらったこと――野生動物の研究とはなにか 195

1 野生下の研究 195
2 個体ベースの研究 197
3 直接観察 199
4 チーム研究と共同 201
5 長期研究 202
6 仮説検証型と記載型 204
7 個体ベースから見た個体群管理 205
8 動物の命 208
9 個体ベースの研究と生命観 218

 

おわりに 225
参考文献 [1-9]