Ludwig Wittgenstein[Edited by Georg H. von Wright/Translated by Peter Winch]
(1980年刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xi, 1-94, 1e-87e, ISBN:978-0-226-90435-1 [pbk] → 版元ページ)
1914年〜1951年にいたるウィトゲンシュタインの小文(「格言」)を集めた本.ドイツ語原書:Ludwig Wittgenstein[Edited by Georg H. von Wright]『Vermischte Bemerkungen』(1977年刊行,Suhrkamp Verlag, Frankfurt am Mein)の対訳本.見開きの左ページがドイツ語原文,右ページがその英訳という対訳形式になっている.
ワタクシは作曲家 Steve Reich の作品〈Proverb[格言]〉に引き寄せられて本書を手にした.Reich のこの曲では,1946年に記された一句「How small a thought it takes to fill someone's whole life!」(p. 50e)が歌詞として引用されている.もとのドイツ語原文は「Welch ein kleiner Gedanke doch ein ganzes Leben füllen kann!」(p. 50)であることも確認できた.
なお,日本語訳:ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン[丘沢静也訳]『反哲学的断章』(1981年12月15日刊行,青土社,東京, 240+ii pp.)はドイツ語原本から翻訳されている.
余談ながら,編者の「Georg Henrik von Wright」は『反哲学的断章』の日本語訳では「フォン・ライト」と英語風に書かれている.しかし,G・H・フォン・ヴリグト『論理分析哲学』(2000年7月10日刊行,講談社[講談社学術文庫・1438],東京, 354 pp., ISBN:4-06-159438-9 → 版元ページ)の訳者あとがきでは,著者名として「Georg Henrik von Wright」は「ヨリ・ヘンリック・フォン・ヴリグト」と記されている(p. 332).フィンランド/スウェーデンに出自をもつ家系らしい.
どんな些細なことでも一生を埋め尽くすことができる —— 御意!