『発酵野郎!:世界一のビールを野生酵母でつくる』目次

鈴木成宗
(2019年7月25日刊行,新潮社,東京, ix+214 pp., 本体価格1,500円, ISBN:9784103527411版元ページ

1990年代の地ビールブーム興亡から現在のクラフトビール全盛への歴史が語られている.


【目次】
はじめに 3
1章 餅屋で終わってたまるか 21
2章 ビール造りの天国と地獄 39
3章 ビール・サイエンスラボを目指す 78
4章 無限の酵母愛を胸に 94
5章 50歳にしてやっと自分も発酵してきた 126
6章 伊勢をもっと発酵させてやる 140
7章 こんな奴が成功しているクラフトビール界 154
8章 日本のクラフトビール新時代に 173
9章 オレ流発酵組織論 189
おわりに 209
番外編 クラフトビールの愉しみ方 [i-ix]

『脱毛の歴史:ムダ毛をめぐる社会・性・文化』目次

レベッカ・M・ハージグ[飯原裕美訳]
(2019年7月20日刊行,東京堂出版,東京, 343 pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784490210149版元ページ

ご恵贈ありがとうございます.生やすのも抜くのも歴史が絡みつく.


【目次】
序論 やむを得ない苦痛 9
第1章 毛のないインディアン —— 南北戦争以前の蛮行と礼節 33
第2章 体毛の手入れのための化学薬品 —— 自家製の治療法から、あらたな産業秩序まで 53
第3章 ひげ面の女と犬面の男 —— ダーウィンが明らかにした史上最大の露出とは 79
第4章 白く、滑らかで、ビロードのような肌 —— X線脱毛サロンと社会的地位の変化 105
第5章 腺によるトラブル —— 性ホルモンと常軌を逸した発毛 135
第6章 剃らざる者 —— 「腋毛ぼうぼうのフェミニスト」とウーマン・リブ 155
第7章 一番下をきれいにする —— 労苦、ポルノグラフィとブラジリアンワックス 181
第8章 魔法の弾丸 —— レーザー脱毛の規制と選択的医療 205
第9章 次なるフロンティア —— 遺伝学的エンハンスメントと体毛の終焉 229
結論 私たちはみな毟られている 251

謝辞 259
原注 [338-267]
索引 [343-339]

『トウガラシ大全:どこから来て、どう広まり、どこへ行くのか』感想

スチュアート・ウォルトン[秋山勝訳]
(2019年9月24日刊行,草思社,東京, 311 pp., 本体価格2,000円, ISBN:9784794224149 → 目次|版元ページ

辛さ耐性のないワタクシには本書を読み進むのはつらい “修行” だ.トウガラシの辛さはスコヴィル単位(SHU)で測定されるが,パプリカは0SHU,シシトウは “当たり” でも1000SHU,タバスコソースは2000SHU,ハラペーニョが1万SHU,タカノツメでやっと3万SHUなのに,世の中には想像を絶する激辛トウガラシがあって(というか人為育種されて),おそれを知らぬ “カプサイシン闘士” たちは競ってこの世の “地獄” に落ちていく.たとえば:

  • 「身もだえするような激しい辛さ」=タイ・ドラゴンF1(10万SHU)
  • 「頭のてっぺんが吹っ飛ぶ」=ブート・ジョロキア(100万SHU)
  • 「猛火のような辛さは尋常ではない」=トリニダード・モルガ・スコーピオン(200万SHU)
  • 「口をも焦がさんばかり」=キャロライナ・リーバー(220万SHU)

と半径1メートル以内に近づくと辛さが伝染してきそうだ.トウガラシ原産地の中米ではとりわけ多様度が高い.ワタクシもオアハカのレストランで食べたことがあるが,メキシコ料理に使われるモーレソースにはさまざまなトウガラシが用いられているという.ワタクシはシシトウやパプリカでもう十分でございます.

D'Arcy Wentworth Thompson 訳『Historia Animalium』

Aristotle[translated by D'Arcy Wentworth Thompson]
(1910年刊行,Oxford at the Clarendon Press)

マサチューセッツ州リンの古書店〈Saul54〉から着便.どこかの図書館の除籍本.オクスフォード版アリストテレス全集〈The Works of Aristotle Translated into English under the Editorship of J. A. Smith and W. D. Ross〉の Volume IV.『On Growth and Form』以前のダーシー・トムソンは父親仕込みの正統派古典学者だったということをすっかり忘れていた.この『動物誌』には生きものの図がいくつも載っていて,岩波書店アリストテレス全集の『動物誌』とはずいぶん感じがちがうなあ.

『Aristoteles Graece ex recognitione Immanuelis Bekkeri, 1831. Aristotelis Opera edidit Academia Regia Borussica, Volumen Prius』

Archive.org: https://archive.org/details/aristotelisopera01arisrich/page/n7

いわゆる「Bekker版」アリストテレス全集の第1巻.これに付けられた「Bekker数」は後代のアリストテレス全集でもつねに参照されている.こんな機会でもなければギリシア語のアリストテレスの著作など見ることはなかっただろう.版元は Georg Reimar, Berlin.

『身体の植民地化:19世紀インドの国家医療と流行病』目次

デイヴィッド・アーノルド[見市雅俊訳]
(2019年9月20日刊行,みすず書房,東京, viii+320+xxxii pp., 本体価格7,600円, ISBN:9784622088516版元ページ

原書は25年前に出た.植民地医療史の古典的研究との位置づけ.


【目次】
日本語版によせて v
謝辞 vii

序論 3
第1章 西洋の治療法と東洋の身体 13
第2章 植民地の飛び地――軍隊と監獄 61
第3章 天然痘――女神の身体 113
第4章 コレラ――無秩序としての病気 155
第5章 ペスト――身体にたいする攻撃 195
第6章 健康とヘゲモニー 233
結論 283

註記 289
訳者あとがき 315
図表一覧 [xxxiii]
文献一覧 [xv-xxxii]
事項索引 [vi-xiii]
人名索引 [i-v]

『言語哲学から形而上学へ:四次元主義哲学の新展開』目次

中山康雄
(2019年9月20日刊行,勁草書房,東京, xiv+279+xviii pp., 本体価格3,200円, ISBN:9784326154623版元ページ

レオロジー(「部分全体論」)について書かれているのでつい手に取ったのだが,ワタクシはこの “山” から生きて帰ってこれるのだろうか…….


【目次】
まえがき i

I 言語哲学形而上学的前提

第1章 言語哲学史粗描 3
第2章 部分全体論 41

II 実体論とプロセス存在論

第3章 実体論の歴史 67
第4章 プロセス存在論 93

III プロセス形而上学

第5章 プロセス存在論とプロセス認識論 123
第6章 時間と様相 145

IV プロセス形而上学の適用

第7章 プロセス形而上学と〈拡張された行為主体〉 191
第8章 プロセスの事例 211

付録 245
 付録1 プロセス存在論入門 245
 付録2 分岐的プロセスモデル入門 258

註 271
あとがき 277
文献一覧 [vii-xviii]
事項索引 [iv-vi]
人名索引 [i-iii]