『生物学者のための科学哲学』近刊案内

コスタス・カンプラーキス,トビアス・ウレル (編著) [鈴木大地・森元良太・三中信宏・大久保祐作・吉田善成訳]
(2023年2月20日刊行予定,勁草書房,東京, x+355 pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-326-10319-5版元ページ

本体価格,カバージャケットやオビなどもすべて確定したので,あとは店頭に並ぶのを待つばかり.販促の大号令が響きわたる.

『アジア「窓」紀行:上海からエルサレムまで』01〜05読了

田熊隆樹
(2022年12月22日刊行,草思社,東京, 335 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7942-2612-9目次版元ページ

昨日の有楽町出撃の車中読書本.年末にリブロを歩いていたら袖をつかんできた新刊.中国から中東まで旅した著者の「窓」の話がとてもおもしろい.カラー写真と手描きイラストがふんだん.著者はアジア各地の家の「窓」に関心があるという.家屋内の詳細なイラストとキャプションはかつての妹尾河童が描いた鳥瞰屋内図を思い出させる.

前半の「01 窓から生える鉄の棒――上海」「02 「景区」外の家――烏鎮」「03 地下の都合――張村」「04 浮いた屋根――トルファン」「05 天窓の部屋――タシュクルガン」まで読んだ.冒頭章(01)は上海編だが,ワタクシも初めて上海を訪れたとき,ビルの窓々から突き出ている “洗濯棒” の砲列に驚いた記憶がある.03 で,黄土高原に穴を掘ってつくった家が湿気でジメジメなのは予想に反してびっくり.

『美味礼讃(下)』目次

ジャン・アンテルム・ブリア・サヴァラン[関根秀雄・戸部松実訳]

(1967年9月16日刊行,岩波書店岩波文庫:赤524-2],東京, 280 pp. ISBN:4-00-325242-X


【目次】
瞑想 18: 眠りについて 11
瞑想 19: 夢について 14
瞑想 20: 食餌の休息睡眠お予備夢に及ぼす影響 29
瞑想 21: 肥満について 35
瞑想 22: 肥満症の予防と治療 50
瞑想 23: やせすぎについて 64
瞑想 24: 断食について 70
瞑想 25: 消耗について 77
瞑想 26: 死について 81
瞑想 27: 料理術の哲学的歴史 85
瞑想 28: 料理店主について 119
瞑想 29: 本格的なグルマンディーズの実例 132
瞑想 30: ブーケ 147

味覚の生理学 第2部

つなぎの言葉 157
ヴァリエテ(雑録) 161
二つの世界の美味学者に捧げる言葉 265

 

訳者注 267
あとがき 279

『美味礼讃(上)』目次

ジャン・アンテルム・ブリア・サヴァラン[関根秀雄・戸部松実訳]

(1967年8月16日刊行,岩波書店岩波文庫:赤524-1],東京, 285 pp., ISBN:4-00-325241-1


【目次】
解説 5
読者に告ぐ 21
教授のアフォリスム 22
著者とその友との対話 25
伝記 33
序 39

味覚の生理学 第1部

瞑想 1: 感覚について 51
瞑想 2: 味覚について 61
瞑想 3: 美味学について 80
瞑想 4: 食欲について 90
瞑想 5: 食物一般について 1 99
瞑想 6: 食物一般について 2 109
瞑想 7: 揚げ物の理論 171
瞑想 8: 渇きについて 178
瞑想 9: 飲料類について 187
瞑想 10: 世の終わりについて 192
瞑想 11: グルマンディーズについて 195
瞑想 12: グルマンについて 208
瞑想 13: 美食家判定器 231
瞑想 14: 食卓の快楽について 236
瞑想 15: 狩猟の中休み 252
瞑想 16: 消化について 258
瞑想 17: 休息について 269

 

訳者注 275

『味の台湾』やっと読了

焦桐[川浩二訳]
(2021年10月18日刊行,みすず書房,東京, xii+376 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-622-09045-8目次版元ページ

寝読み本としてちびりちびり読み進めてきてやっと読了.読み始めたのが出版されてすぐの2021年11月だったので,なんと3年をまたいでしまったことになる.本書のあとから読み始めた:洪愛珠[新井一二三訳]『オールド台湾食卓記:祖母、母、私の行きつけの店』(2022年10月30日刊行,筑摩書房,東京, 16 color plates + 302 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-480-83723-3版元ページ)">目次|版元ページ)もまた自分史(家族史)と台湾食文化との関わりを綴った本だったが,こちらの方が早く読了してしまった.

『ブリヤ=サヴァラン「美味礼讃」を読む』目次

辻静雄
(2022年12月13日刊行,講談社講談社学術文庫・2746],東京, 364 pp., 本体価格1,280円, ISBN:978-4-06-529885-5版元ページ

美味礼讃』の岩波文庫版はもちろんワタクシの書棚にも昔から陳列されてはいる:

  1. ジャン・アンテルム・ブリア・サヴァラン[関根秀雄・戸部松実訳]『美味礼讃(上)』(1967年8月16日刊行,岩波書店岩波文庫:赤524-1],東京, 285 pp., ISBN:4-00-325241-1目次
  2. ジャン・アンテルム・ブリア・サヴァラン[関根秀雄・戸部松実訳]『美味礼讃(下)』(1967年9月16日刊行,岩波書店岩波文庫:赤524-2],東京, 280 pp. ISBN:4-00-325242-X目次

しかし,ご多分に漏れず,この『美味礼讃』はいまだに登頂されていない.詳細目次をたどるだけでも息が切れそうだ.辻本を頼りに再登攀を試みてみるか.


【目次】

第1講 ブリヤ= サヴァランと『味覚の生理学』

I ブリヤ= サヴァランはどういう人だったか 9
II 『味覚の生理学』初版その他 25
III 『味覚の生理学』の構成、その他 41

第2講 食べ物と新しい歴史学

I 『味覚の生理学』の背景も知っておきたい 59
II ブリヤ= サヴァランの対極にいた人たち 74
III パリの食糧、その他 105

第3講 「おいしさ」とその表現

I 「教授のアフォリスム」を読む 120
II ブリヤ= サヴァランが好んだ料理 144
III 「おいしい」という言葉/味の表現 175

第4講 ワイン事情

I ブリヤ= サヴァランとワインのことなど 190
II 一九世紀のワイン事情 204

第5講 ガストロノミーとガストロノームの系譜

I ガストロノミーとグルマンディーズ 237
II ガストロノームの系譜 255

 

あとがき 310
参考文献 313