『ハングルの誕生:音から文字を創る』

野間秀樹

(2010年5月14日刊行,平凡社平凡社新書523],東京,368 pp.,本体価格980円,ISBN:9784582855234目次版元ページ

ハワイ旅行からの帰国の途中の機内読書本として選んだ.これだけの充実したコンテンツを「新書」というフォーマットにぎゅっと詰め込んでくれてありがたい.とくに,15世紀に人造文字として出現したハングルの成立史が書かれている.文字としてのハングルがつい最近(2009年)インドネシアのある少数部族の「公式文字」として採用されたという話はとても興味深い.ハングルの語学書は世の中にたくさん出回っているが,こういう内容の本が新書で読めるというのは新鮮な驚きだ.巻末の文献リストと索引の充実ぶりは書き手として共感を覚える.