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出版社の「校閲部」は論文査読者と同格だと思う.講談社現代新書を書いていたときも,担当編集者から「では,校閲にまわしますね」と言われるたびに震え上がったものだ.生年月日とか歴史的年代のチェックはもちろん,全体を通じての齟齬のチェックなどなど “神査読” は悪魔のように綿密だった.つい先日,原稿を戻した慶應義塾大学出版部の校閲も神がかっていて,講義のテープ起こしの原稿やスライド資料から中世写本の出典をたどったコメントがずらりと.「九世紀にはフランス語は存在しなかったので,該当フランス語表現は修正して」とかほとんど魔王.校閲部とバトルするためには,執筆者は決死の覚悟と周到な準備が必要.ほとんどの場合,執筆者側に勝ち目はないから.原著論文に対するレフリーコメントへの投稿者による “反撃” を思い起こせばいい.論文査読者は生身の “人間” だが,校閲部は天上の “神” である.