『昭和四十一年日本一周最果て鉄道旅』感想

小川功
(2019年12月10日刊行,笠間書院,東京, viii+259 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-305-70898-4目次版元ページ

予想通り高濃度の “鉄分” だった.第一部「昭和最果て巡礼記」(pp. 11-151)に描かれているローカル線風景が心に染み入る.それだけに,第二部「巡礼から五十年。最果ての鉄路は今……」(pp. 153-224)に綴られている “地方消滅” の経緯は諸行無常とはいえ言うべき言葉がもうない.ワタクシが学部生の頃に道北から道東にかけて一人旅したときに乗った羽幌線・天北線・渚滑線・興浜北線・興浜南線・湧網線はもうない.