『無言板アート入門』感想

楠見清
(2023年6月10日刊行,筑摩書房ちくま文庫・く-34-1],東京, 206 pp., 本体価格900円, ISBN:978-4-480-43898-0目次版元ページ

読了.赤瀬川原平のいう “トマソン” の「無用看板」カテゴリーを路上芸術の観点から考察する.カラー写真の数々がとてもおもしろい.“トマソン” 分類体系の要は,分類する視点とカテゴリー化の方法がどれほど合理的かにある.著者の言う「無言板」は,既存の「無用看板」カテゴリーのサブカテゴリーにとどまらず,これまで見過ごされてきた “物件” を丹念に拾い上げている.着眼点がこれまでになくユニークだとワタクシは感じた.