『驚異の珪藻世界』

出井雅彦・佐藤晋也・デイヴィッド・マン
(2020年12月20日刊行,創元社,東京, 本体価格4,500円, 175 pp., ISBN:978-4-422-43035-5版元ページ

珪藻の写真集.超精細の顕微鏡写真に思わず見入って魅入られること請け合い.説明は和英併記のバイリンガル.英語書名は『The Amazing World of Diatoms』.

『デヴォン紀大論争:ジェントルマン的専門家間での科学知識の形成』目次

マーティン・J・S・ラドウィック[菅谷暁訳]
(2021年2月10日刊行,みすず書房,東京, xxxiv+705+109 pp., 本体価格18,000円, ISBN:978-4-622-08935-3版元ページ

“屹立” しまくる850ページ! ここはやはり原本と訳本を横に並べないといけないところだろう:Martin J. S. Rudwick『The Great Devonian Controversy: The Shaping of Scientific Knowledge among Gentlemanly Specialists』(1985年刊行,The University of Chicago Press, Chicago, xxxiv+494 pp., ISBN:0-226-73101-4 [hbk]).


【目次】
図版一覧 xii
凡例 xviii
序文 xix
登場人物 xxvii

 

第1部 舞台を設定する

 第1章 歴史的顕微鏡のもとでの科学研究 3
 第2章 ジェントルマン的討論の闘技場 23
 第3章 地球を解き明かす 57

 

第2部 プロットの展開

 第4章 序幕 グレイワッケを解きほぐす 85
 第5章 論争が公のものになる 127
 第6章 漸移系を飼い馴らす 179
 第7章 真価が問われるデヴォンシャー 213
 第8章 解釈をめぐる工作 265
 第9章 議論の方向を変える 315
 第10章 衝突する大著 369
 第11章 再生するデヴォン系 407
 第12章 大陸を征服する 447
 第13章 合意をつくりだす 513
 第14章 自然化されたデヴォン系 553

 

第3部 行動の分析

 第15章 論争の形状 597
 第16章 自然的知識の形成 639

 

付録 683
訳者あとがき 691
文献目録 [83-109]
原注 [18-82]
索引 [1-17]

『普及版 世界大博物図鑑[全7巻]』刊行

荒俣宏
(2021年2月刊行,平凡社,東京 → 版元ニュース

縮刷版が出た.ワタクシの “森” には元本セットが安置されているのであえて買う必要はないが,原本は本体価格11,000円〜17,000円台だったので,今回の普及版が5,200円〜6,200円という価格帯に設定されているのは確かにお手頃かも.

『別府』感想

芹沢高志
(2020年11月20日刊行,ABI+P3,東京, 190 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904965-13-9版元ページ

読了.別府の北浜を中心に鉄輪・浜脇を含むエリアをめぐるエッセイ集.類書である:山出淳也『BEPPU PROJECT 2005 – 2018』(2018年10月13日刊行,NPO法人BEPPU PROJECT,別府, 345 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-9909005-0-2読売新聞書評版元ページ)と松田法子著|古城俊秀監修『絵はがきの別府:古城俊秀コレクションより』(2012年5月30日刊行,左右社,東京,本体価格3,500円,314 pp., ISBN:978-4-903500-75-1目次版元ページ)">目次|版元ページ)を再読しようか.今年の師走にはまた別府滞在の予定だ.

『月刊みすず(63巻1号[no. 700]2021年1-2月合併号)』+次点5冊

(2021年2月1日発行,みすず書房,東京,本体価格300円 → 版元ページ

この「2020年読書アンケート特集号」があれば,しばらくの間は “活字飢餓” に陥らなくてすむ.ワタクシがセレクトした5冊は(pp. 77-78)は下記の通り.次点5冊と合わせてリストアップする.

今年の5冊

【書名】『「色のふしぎ」と不思議な社会:2020年代の「色覚」原論
【著者】川端裕人
【刊行】2020年10月25日
【出版】筑摩書房,東京
【ISBN】978-4-480-86091-0

 

【書名】『統計学を哲学する
【著者】大塚淳
【刊行】2020年10月30日
【出版】名古屋大学出版会,名古屋
【ISBN】978-4-8158-1003-0
【書評】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/12/22/062021

 

【書名】『採集民俗論
【著者】野本寛一
【刊行】2020年11月20日
【出版】昭和堂,京都
【ISBN】978-4-8122-1823-5
【目次】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/12/20/070928

 

【書名】『幻のアフリカ納豆を追え!:そして現れた〈サピエンス納豆〉
【著者】高野秀行
【刊行】2020年8月25日
【出版】新潮社,東京
【ISBN】978-4-10-340072-1

 

【書名】『ジビエレシピ:プロのためのジビエ料理と狩猟鳥獣
【著者】ブルーノ・ドゥーセ[小宮輝之・山口杉朗監修|柴田里芽訳]
【刊行】2020年9月25日
【出版】グラフィック社,東京
【ISBN】978-4-7661-3351-6

次点の5冊

【書名】『種を語ること、定義すること:種問題の科学哲学
【著者】網谷祐一
【刊行】2020年12月20日
【出版】勁草書房,東京
【ISBN】978-4-326-10288-4

 

【書名】『サードプレイス:コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
【著者】レイ・オルデンバーグ[忠平美幸訳]
【刊行】2013年10月25日
【出版】みすず書房,東京
【ISBN】978-4-622-07780-0
【目次】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/07/10/050456

 

【書名】『京大的文化事典:自由とカオスの生態系
【著者】杉本恭子
【刊行】2020年6月25日
【出版】フィルムアート,東京
【ISBN】978-4-8459-1823-2
【目次】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/07/25/070929

 

【書名】『マルジナリアでつかまえて:書かずば読めぬの巻
【著者】山本貴光
【刊行】2020年7月31日
【出版】本の雑誌社,東京
【ISBN】978-4-86011-445-9

 

【書名】『我々みんなが科学の専門家なのか?
【著者】ハリー・コリンズ[鈴木俊洋訳]
【刊行】2017年4月27日
【出版】法政大学出版局[叢書・ウニベルシタス 1055],東京
【目次】https://leeswijzer.hatenadiary.com/entry/2020/08/02/051912

『別府』

芹沢高志
(2020年11月20日刊行,ABI+P3,東京, 190 pp., 本体価格1,600円, ISBN:978-4-904965-13-9版元ページ

2012年に別府で開催された別府現代芸術フェスティバル〈混浴温泉世界〉にあわせて刊行された本の新装版.ワタクシはそのとき別府に潜伏していたのでこのイベントのことはよく知っている.

『「三代目」スタディーズ:世代と系図から読む近代日本』

鈴木洋仁
(2021年2月20日刊行,青土社,東京, 261+ix pp., 本体価格1,800円, ISBN:978-4-7917-7355-8版元ページ

ご恵贈まことにありがとうございました.澁澤栄一よりも澁澤敬三が好きなワタクシとしては「三代目」はとてもキャッチーです. “蟲” 一匹捕捉 —— p. 249:「BORTHERS」→「BROTHERS」.