井口壽乃
(2000年12月5日刊行,彩流社,ISBN:4-88202-684-8)
本編270ページをイッキに歩き読む.1919年のハンガリー革命前後の泡立つ感じが伝わってくる.主人公はモホイ=ナジ・ラースローとカシャーク・ラヨシュ.第一次世界大戦をはさんで,モホイ=ナジはベルリンへ,そしてカシャークはウィーンへと離れていったが,彼らの精神的ルーツはハンガリーにあると著者は言う.確かに,1921〜22年の二人の共闘関係の最高潮期をはさむ数年間の国境を越えた活動ぶりがめざましい.その後のベルリンでの「バウハウス」でのモホイ=ナジについても知りたくなった.
やっぱり,この本を読んだあとで,井口壽乃・圀府寺司(編)『アヴァンギャルド宣言:中東欧のモダニズム』(2005年9月5日刊行,三元社,ISBN:4-88303-161-6)を読むべきだったことを再確認する.