『Die Tierwelt der Maria Sibylla Merian: Arten, Beschreibungen und Illustrationen』

Katharina Schmidt-Loske

(2007年刊行, Basilisken-Presse, Marburg, 238 pp., EUR 96.00, ISBN:9783925347795 [hbk] → 版元ページ



ドイツから着便した大型図録.Basilisken-Presse の本は入手に手間取る.この大判(29×24 cm)の本も今年始めに発注した記憶があるのだが,すっかり忘れたころに日本に届いた.

本書は,南米の昆虫の変態を描いた『スリナム産昆虫の変態』など多くの昆虫図譜を遺した“女流”昆虫画家として知られている Maria Sibylla Merians (1647-1717) の画業を詳細に論じるとともに,彼女の生涯をたどった著作だ.全91葉の図版のうち78枚はカラーで,虫たちがいきいきと動き回っている.本書において初めて公開されたメーリアンの未発見の生物画もある.著者はヨーロッパの方々の博物館に長年眠っていた彼女の絵を捜し回ったそうだ.

メーリアンの伝記は,以前,中野京子情熱の女流「昆虫画家」:メーリアン波乱万丈の生涯』(2002年01月25日刊行,講談社,4 pl.+237 pp.,本体価格1,900円,ISBN:4062111160目次書評)を読んだことがある.今回届いた本は,前半130ページがメーリアン伝で,後半100ページほどが図録になっている.また,それぞれの昆虫などの絵についての美術史的な論議は詳細にわたる.