泊次郎
(2008年06月2日刊行,東京大学出版会,vi+258 pp.,本体価格3,800円,ISBN:9784130603072 → 版元ページ)
【目次】
まえがき i序章 プレートテクトニクスと日本の科学史 1
0.1 海外でのプレートテクトニクス歴史研究 1
0.2 日本の科学史とプレートテクトニクス 6
0.3 明らかにすべき課題 13
参考文献と注 14第1章 大陸移動説からプレートテクトニクスへ —— 地球科学の革命 18
1.1 大陸移動説登場前夜の地質学 18
1.2 大陸移動説はどのように受け止められたか 21
1.3 古地磁気学の発展と大陸移動説への関心 25
1.4 戦争と海洋底研究の進展 27
1.5 海洋底拡大説の登場とその検証 29
1.6 プレートテクトニクスの成立 35
1.7 プレートテクトニクスと地球科学の革命 38
1.8 プレートテクトニクスへの反対論とその論理 41
1.9 旧ソ連と中国での受容 46
参考文献と注 51第2章 戦前の日本の地球科学の発展とその特徴 57
2.1 近代地質学の輸入と地下資源の調査・開発 57
2.2 地質学の自立への歩み 61
2.3 戦争と海外地質調査の拡大 63
2.4 地質学の専門分化と層序学の発展 66
2.5 戦前の地質学の集大成「佐川造山輪廻」 68
2.6 日本の地震学の発展と地質学との対比 70
参考文献と注 77第3章 戦後の日本の民主主義運動と地学団体研究会 81
3.1 戦後の民主主義運動とスターリン主義 81
3.2 地学団体研究会の誕生 84
3.3 団体研究と井尻正二 90
3.4 地団研の高齢化と個人崇拝の強化 97
3.5 地団研による地質学界支配 101
参考文献と注 110第4章 「2つの科学」と地学団体研究会 117
4.1 日本でのルイセンコ論争と「2つの科学」 117
4.2 歴史法則主義的な地質学の誕生 124
4.3 現在主義の研究伝統 129
4.4 歴史法則主義と現在主義との対立 134
4.5 地団研と日米科学協力 139
参考文献と注 141第5章 日本独自の「地向斜造山論」の形成 147
5.1 地向斜概念の誕生と発展 148
5.2 日本での地向斜概念の受容 154
5.3 日本独自の「地向斜造山論」の誕生とその発展 156
5.4 日本の地質学の特徴と地団研 162
参考文献と注 164第6章 プレートテクトニクスの登場と日本の地球科学 168
6.1 プレートテクトニクスの登場とそれを取り巻く時代状況 168
6.2 日本社会でのプレートテクトニクスをめぐる言説 170
6.3 地球物理学分野での受容 174
6.4 プレートテクトニクスにもとづく初期の日本列島論 179
6.5 プレートテクトニクスへの批判 —— 歴史法則主義的な立場から 182
6.6 プレートテクトニクスへの批判 —— 「地向斜造山論」の立場から 184
6.7 「地向斜造山論」の「変則例」の顕在化 186
6.8 「佐川造山輪廻」説とプレートテクトニクス 190
参考文献と注 192第7章 「日本列島=付加体」説の形成とプレートテクトニクスの受容 198
7.1 地質学分野での国際交流の進展 198
7.2 海外での付加体概念の誕生 201
7.3 日本列島への付加体概念の適用 204
7.4 放散虫化石と「日本列島=付加体」説の形成 210
7.5 「日本列島=付加体」説への反対 215
7.6 「転向」と「日本列島=付加体」説の受容 220
参考文献と注 222終章 プレートテクトニクスの受容とそれ以降の日本の地球科学 229
日本の地質学界ではなぜプレートテクトニクスの受容が遅れたのか 229
プレートテクトニクス受容以降の日本の地質学界 235
残された課題 240
参考文献と注 241
あとがき 243
プレートテクトニクス関連年表 247
参考資料 251
事項索引 253
人名索引 256