〈ノーム・チョムスキー教授講演会〉

 → http://pweb.sophia.ac.jp/linstic/chomsky2014.html

過日,上智大学で開催された〈ノーム・チョムスキー教授講演会〉(2014年3月5日&6日)は予想を上回る大入り満員で,事前に整理券まで配られたとのこと(→ Togetter -「3/5チョムスキーまとめ」)

ワタクシの自宅の本棚の奥には Noam Chomsky『Rules and Representations』(1980年刊行,Basil Blackwell, Oxford, viii+299pp., ISBN:0631126414[hbk]|[井上和子神尾昭雄・西山佑司訳 1984ことばと認識:文法からみた人間知性』,大修館書店, 東京, vi+415pp.]) と Noam Chomsky『Lectures on Government and Binding』(1981年刊行,Foris Publications[Studies in Generative Grammar 9], Dordrecht, x+371 pp., ISBN:9070176130 [pbk]|[安井稔・原口庄輔訳 1986『統率・束縛理論』,研究社出版, 東京])がある.購入年月日を確認したら両方とも1981年10月だった.修士論文を書いていた時期にチョムスキー本を買って,マルジナリア入を書き込みながら読むって,当時のワタクシはいったい何をしようとしていたのかぜんぜん覚えていない.

チョムスキーは1960年代の「統辞理論の構造」以降,どんどん理論を変更してきた.ひとつの理論に命を懸けては「ならぬ」ことをチョムスキーはしっかり教えてくれた.

のちに Elliott Sober『Simplicity』(1975年刊行,Clarendon Press[Clarendon Library on Logic and Philosophy], Oxford, x+189 pp., ISBN:019824407X [hbk])を読んで,彼がチョムスキー生成文法理論における「単純性」を取り上げて学位を取ったことを知った.その本を知るきっかけは,科学哲学者 John Beatty による長文の書評が Systematic Zoology 誌に載ったからだった:John Beatty 1979. [Book review] Elliott Sober. 1975. Simplicity. Systematic Zoology, 28(4): 643-651.