『Embryos and Ancestors, Third Edition』

Gavin de Beer

(1958年刊行,The Clarendon Press, Oxford, xii+197 pp. with 2 plates)

集中講義で訪問中の京大霊長研図書室前に「自由にお持ちください」と置かれていた重複本たちの中にあった.こんな貴重本,いいの?と思いつつも,ためらうことなくゲットしてカバンの奥深くに格納した.あとでCiNii Booksで検索したら,国内所蔵館はたった22館しかないけど.ホンマにええのん? 犬山での最大の収穫かもしれない.

公費購入除籍本ではなく,古い私蔵本らしい.見開きに記されていたサインの名前は解読できないが,南米コロンビアの首都ボゴタにあった書店〈Buchholz〉の栞が二枚はさまっていた.第二次世界大戦後にドイツから移住した書籍商・美術商 Karl Buchholz を創業者とするこの書店は全世紀末まではボゴタのセントロに巨大な書店ビルをもっていたらしい.すでに〈Buchholz〉は廃業しているので,この栞はかつての “本の木” の繁盛ぶりを伝えるかすかな手がかりなのだろうか.Cf: Mike's Bogota Blog「Karl Buchholz, Brave Bookseller」(2011年12月30日)|Semana「Karl Buchholz y su pasado entre sombras」(2013年11月23日).

それにしても,これがなぜ de Beer 本にはさまっていたのか.謎は謎を呼ぶ.