『結婚と家族のこれから:共働き社会の限界』

筒井淳也

(2016年6月20日刊行,光文社[光文社新書・824],東京,260 pp., ISBN:9784334039271目次版元ページ

さくっと読了.前著:筒井淳也『仕事と家族:日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』(2015年5月25日刊行,中央公論新社中公新書・2322],東京,x+209 pp., ISBN:9784121023223書評目次版元ページ)は「仕事」がテーマだったが,今回の新刊は「家族」がテーマ.人間の家族のあり方についての社会学的な分析がなされている.現代社会の「家族」が抱える「問題」を浮かび上がらせようというスタイルが好ましい.性急に「解答」を求める読者には向いていないかもしれない.ヒト集団の配偶行動・繁殖様式と系譜存続に関わることなので,進化と文化の両面から人間進化生物学のテーマとして取り組めばよりおもしろいだろうと感じた.