『読む・打つ・書く』書評拾い(43)

三中信宏
(2021年6月15日第1刷刊行|2021年10月5日第2刷刊行,東京大学出版会東京大学出版会創立70周年記念出版],東京,xiv+349 pp., 本体価格2,800円(税込価格3,080円), ISBN:978-4-13-063376-5コンパニオン・サイト版元ページ

  • よりぬきカツラくん ~ ナンコクの生活「紹介:読む・打つ・書く」 https://itokatsura.hatenablog.com/entry/2022/01/19/004745 (2022年1月19日)
    1. 「いったん手が止まると再開するのにものすごいエネルギーを消耗することを研究者なら誰でも知っている」—— 呼吸は止められないでしょう? それとおんなじ.
    2. 「本書は分厚くて内容が濃いわりには(氏には「薄いでしょう?」と言われそう)、とても読みやすい。これは目次に沿って構造的に「構築」されているからだろう」—— むしろ逆に,目次が本文を説明する “最適モデル” になるように逐次的に構築されているということです.
    3. 「少し意外だったのは、氏が自分だけのために本を書いているとしている点だ」—— 「他人のために」といういかにも重そうな看板を自ら背負う覚悟はワタクシには毛頭ありません.長続きしないでしょ.楽しくないでしょ.
    4. 「自分のために書くのに評価を調査しているというのは少し不思議な気がする」—— 自著の書評をサンプリングするのはあくまでも利己的な動機です.書評頻度分布を調べれば,自分の書く文体を支配する “潜在変数” (多くは第二人格である「ワルみなか」の所業)の理解が進むかも.
    5. 先日,立川の統数研で『読む・打つ・書く』のネタで噺をしたとき,岸野洋久んから「書評頻度分布の統計解析とは具体的には何をするのでしょうか?」といういつもながらのスルドい質問が飛んできた.書評文体の「テクスト分析」をしてはどうでしょうかと苦しまぎれに答えたのだが.—— そんなこんなで,息するように本を書きましょうね.>みなみなさま.