有吉佐和子
(2009年2月17日刊行、岩波書店[岩波文庫・緑180-2]、東京, 518 pp., 本体価格1,240円, ISBN:978-4-00-311802-3 → 版元ページ)
寝読み本として読了。この本は1970年代後半から80年代はじめにかけての日本の離島をめぐった著者晩年のルポルタージュ作品。半世紀近く前の “国境” の島々をまきこむ政治経済や国際関係・国境紛争の動向、島の漁業の景気不景気、そして島民の出入りなどが描かれている。今も帰属問題でくすぶる北方四島・竹島・尖閣列島も取り上げられている。気のせいか筆調が武田百合子を連想させる。しかし、有吉佐和子のほかの作品(『複合汚染』とか『恍惚の人』とか)はこれまでまったく読んだことがない。
【目次】
海は国境になった―焼尻島・天売島 7
鉄砲とロケットの間に―種子島 45
二十日は山に五日は海に―屋久島 73
遺唐使から養殖漁業まで―福江島 107
元寇から韓国船まで―対馬 137
南の果て―波照間島 187
西の果て、台湾が見える―与那国島 219
潮目の中で―隠岐 263
日韓の波浪―竹島 307
遙か太平洋上に―父島 343
北方の激浪に揺れる島々―択捉・国後・色丹・歯舞 383
そこに石油があるからだ!―尖閣列島 447
総覧図 514-515