国書刊行会編集部(編)
(2006年10月20日刊行,国書刊行会,ISBN:4336047510→目次)
第I部120ページあまりを日だまりのベランダで読み進む.この本は一見ただの「蔵書目録」に過ぎないのだが(確かにいくら目を凝らしても形式的には目録そのものだ),その背後にある“もの”を読込む愉しみがそこにはある.目に留まった書名を Moleskine の無罫メモ帳に書きとめていく.あっという間に数ページが埋まってしまう.
第I部から拾った書目は下記の通り(書目番号は同書の凡例に従う).
【01】〜【10】棚 —— グールド『パンダの親指(原書)』[01-01-82]|シュレーゲル『ロマン派文学論』[01-02-83]富山房百科文庫※“romantisch”のルーツ? 近くに同百科文庫の本多し|スウィフト『書物合戦』[01-03-35]|ゴールディング『蠅の王』[01-03-49]|※文庫クセジュがたくさん[02-03棚]|ボードリヤール『物の体系』[02-04-50]|ヤコブセン全集[02-05-09]|ドルバック『自然の体系』[03-02-24]※数年前に復刊されたものか?|『Les Rose-croix』※「薔薇十字軍」関連の仏語文献甚だしく多し[03-04棚]|Frere『Raymond Lulle』[03-04-12]※ライムンドゥス・ルルス伝|Duvic『Monstres et monstrusites』[03-04-23]※怪物・異形論の本もいっぱいある.|ブリニウス『博物誌』全巻[03-04-42]|Robert Fludd と R. Lulle の本数冊[03-05-12〜14]|このあたりに,シュールレアリズム,錬金術,神秘学,宗教学とカバラの本が散在する.|P. Reage『Histoire d'O』[04-06-72 / 05-02-85]※おお!|「歴史的殺人者」たちが集まるコワイ棚[07-03]※Gille de Reis とか Cesar Borgia とか.|続いては「錬金術師」たちの棚[07-04]※ノストラダムスにパラケルスス.|金風山人『四畳半襖の下張り』[07-05-08]※ううむ.|Ambroise Pare『Des monstres』[08-04-20 / 08-05-28]※怪物論の古典.あるべき本が当然あるのがすごいなあ.|※この近辺には悪魔学,秘教学,紋章学,グノーシス,異形論の本多し.|Athanasius Kircher 伝[08-05-40]|Roger Cook『The Tree of Life』[08-05-41]|ブラヴァツキー『The Theosophical Glossary』|エロティシズム関連の本は 09-02〜03 に多い.他に,ミルチャ・エリアーデや悪魔(diable)の本も散在する.|大量の「サド侯爵」関連の本[09-04〜05]|『蘭和大辞典』(第一書房)[09-06-43]※ぼくももっている.
【11】〜【15】棚 —— 城市郎『発禁本』桃原選書[11-01-01]※他の「桃原選書」のセレクションが魅惑的.|『医心方』[11-01-08]|F. A. イェイツ『薔薇十字の覚醒』[11-02-69]|マルシリオ・フィチーノ『恋の形而上学』[11-03-55]|ピコ・デッラ・ミランドラ『人間の尊厳について』[11-03-56]|※11-06棚はレヴィ-ストロースとマルセル・モース本.|J. ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑』(工作舎)[11-08-41]|C. H. シュトラッツ『女体の人種美』[11-09-28]※シュトラッツ本多し.|『プリニウスの博物学』[12-01棚]|W. H. ハドソン『ラプラタの博物学者』[12-02-36]|※パオロ・ロッシにCh. シンガー本も.|※12-04棚にはロジェ・カイヨワとミルチャ・エリアーデ文献がごっそりある.|カルロ・ギンズブルグ『チーズとうじ虫』[12-04-47]|ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』[12-05-10]と『中世の秋』[12-05-11]|Ch. シンガー『魔法から科学へ』[12-05-20]|ドレイパー『宗教と科学の闘争史』[12-05-22]|パノフスキー『イコノロジー研究』[12-06-08]|バートランド・ラッセルの科学史本[12-08棚]|E. グラント『中世の自然学』[12-08-42]|四谷シモン『人形愛』[15-02-05]|ソーントン『フローラの神殿』[15-02-17]|荒俣宏『世界大博物図鑑4:鳥類』[15-02-17]|『Aux sources de la biologie』[15-04-01]|プリニウスの博物誌[15-04-20]|アタナシウス・キルヒャー『China illustrata』[15-04-21]