倉谷滋
(2016年11月20日刊行,工作舎,東京, 862 pp., 本体価格9,000円, ISBN:978-4-87502-478-1 → 版元ページ)
はい,かの Stephen J. Gould『個体発生と系統発生』(やはり工作舎!)を即座に連想してしまうもうひとつの “The Book” です.ご恵贈まことにありがとうございました.厚い(熱い)です.重い(思い)です.
【目次】
はじめに ― 地上に降り立つイデア 2第1章 観念論の時代
ゲーテからオーウェンへ 22
オーウェン 42
原型と相同性,グレードとクレード 62第2章 比較発生学と比較解剖学の時代 ― 比較発生学の興隆からグッドリッチまで
先験論的比較発生学 84
頭部分節の否定,そして「全成頭蓋発生学」の誕生 94
分節の起源 113
ヘッケル 124
ゲーゲンバウアーと比較解剖学 130
バルフォーと頭部分節 142
ヴァン・ヴィージェ ー 体性と臓性 155
プラットの小胞と頭部分節の数 171
フロリープ ― 頭部と体幹の境界 183
ガウプと軟骨頭蓋の比較解剖学 192
後頭骨のホメオティックシフト ― フュールブリンガーからグッドリッチへ 204
鰓と頭腔 211
グッドリッチと頭部分節説の二〇世紀的結論 216
誰が分節論者か 223第3章 もう一つの流れ,神経系の分節理論
神経分節と頭部分節性 224
神経分節 261
ジョンストン 268
ニールと神経分節 276
ベルグクイストと多角形モデル 290
二〇世紀末のロンボメア論争 298
もう一つの前脳モデル ― スペイン学派と日米の共同研究 313第4章 グッドリッチ以降 ― 混迷の時代
円口類の位置と意義 329
ド=ビアと前成頭蓋博物館 346
ゼヴェルツォフの系統進化的ヴィジョン 356
アリスと梁軟骨 373
ポルトマンと頭蓋の一次構築プラン 382
ジョリー ― ゼヴェルツォフを継ぐもの 387
ローマーと二重分節説 396
スウェーデン学派 ― ジャーヴィックとビエリング 404
形態学の暗黒時代とソミトメアの夢 420
頭腔と頭部中胚葉の分節性 426
遺伝子発現 452第5章 実験発生学の時代
個体発生プロセスとボディプラン理解 474
形態発生的拘束と分節性 484
脊椎動物の頭部分節性を発生機構的に見直す 492
頭部神経堤細胞をめぐる実験発生学と頭部分節性 505
皮骨頭蓋の謎 546第6章 進化発生学の興隆
進化発生学とは何か 566
現代進化発生学批判試論 ― ホメオシスと Hox 574
脊椎動物の起源という問題意識 ― ガスケルとパッテン 597
ガンスとノースカットと「新しい頭」 615
ナメクジウオとの比較 621
半索動物……ギボシムシ ― あるいは第二のナメクジウオ 639
背腹反転 651
そして,脊索は 663
進化を遡る ― 前口動物 666
幻想としてのウルバイラテリア 683
類似した分節 693
脊椎動物の作り方に関する謎 ― 背腹反転再び 697
祖先的胚形態 709
残された問題 714
相同性をめぐる考察,再び 723
結語 ― ボディプランの進化的ダイナミズムと由緒正しい分節 740追補 試論 ― 形態的相同性を記述するための,網目状円環モデル化の試み
序 ― 反復説の不可能性について 754
円環としての相同性 767
要約と結論 795
引用・参考文献 [836-798]
事項索引 [847-837]
著作・論文・雑誌索引 [848-847]
主要人名索引 [852-849]
浪漫の行方 ― あとがきに代えて 854