『系統体系学の世界:生物学の哲学がたどってきた道[仮題]』

三中信宏
(2018年4月刊行予定,勁草書房[けいそうブックス],東京 → 目次

本書は,系統体系学(phylogenetic systematics)の一世紀の変遷を同時代の進化生物学と生物学哲学を絡めながら鳥瞰するガイドブックです.現在の生物体系学がなぜ私たちが見るような “学問的地形” をかたちづくるにいたったのかを一連なりのストーリーとして描きました.ある学問分野の「現在」を知るにはそれがたどってきた「過去」を振り返らなければなりません.生物体系学の “戦史” は語り継がれなければなりません. “語り部” たちがいなくなる前に記録するのは時間との競争です.本書には歴史をたどるための全100枚以上の図版とチャートが載っています.

本書のうち系統樹離散数学グラフ理論に関するテクニカル・サプルメントはすでに昨年:三中信宏思考の体系学:分類と系統から見たダイアグラム論』(2017年4月25日刊行,春秋社,東京, 6+316+23 pp., 本体価格2,500円, ISBN:9784393333556目次版元ページコンパニオン・サイト)として出版しました.また,本書の統計学側のテクニカル・サプルメントは,本書とほぼ同時に三中信宏統計思考の世界:曼荼羅で読み解くデータ解析の基礎[仮題]』(2018年4月下旬刊行予定,技術評論社,東京 → 目次経緯)として別途刊行されることになっています.これら3冊は単系統的な “姉妹本” を構成しています.

以上,現時点での情報公開でした.今月はこの本のゲラ読みに忙殺されて真っ白に燃え尽きることが運命づけられているようです.