「ライトニング・ビブリオトーク」の効用

総務省統計局の公表データ「書籍の出版点数と平均定価」によれば,ここ数年の書籍出版点数は漸減しつつも毎年7万冊あまりとのこと.ということは,毎月6千冊もの新刊が出版されていることになる.

ワタクシが大手町の隔週の読書委員会で毎回目にする書評候補本は毎回100〜150冊くらいだから,月あたりだと200〜300冊になる.したがって,読売新聞への献本があるかどうかのフィルター,ならびに文化部がそれらの新刊献本の海からすくう “地引網” のフィルターでかなり絞り込まれている.

ワタクシを含めて読書委員は毎回数冊の候補本をピックアップして,読書委員会の “せり” にかける.そこでは,各読書委員が選んだ本のセールスポイントをだいたい1分/冊の「ライトニング・ビブリオトーク」として話すのだが,これがワタクシにとってはとても勉強になる.各委員が5冊ずつ選んだとすると,20名全員出席と仮定して,計100冊の新刊本のライトニング・ビブリオトークを受講することになる.日頃けっして手にしないようなジャンルの新刊本の解説を “読書のプロ” たちから教えてもらうので,役に立たないはずがない.全方位的な新刊情報まるわかり.

各週ごとに夕方から夜まで4時間かけて読売新聞読書委員会は開催されるが,それだけのエネルギーを割くだけの価値は十分にあるとワタクシは感じている.