志村真幸
(2023年6月20日刊行,講談社[講談社現代新書・2710],東京, 255 pp., 本体価格940円, ISBN:978-4-06-532636-7 → 目次|版元ページ)
寝読み中、別の “鵼” に惑わされてしまったが、やっと読了。南方熊楠も十分につかみどころのないキャラクターだが、この著者にして初めて共感をもってその “実体” に近づくことができた。
同著者によるこれまたとてもおもしろかった前著:志村真幸『南方熊楠のロンドン:国際学術雑誌と近代科学の進歩』(2020年2月20日刊行,慶應義塾大学出版会,東京, viii+280+6 pp., 本体価格4,000円, ISBN:978-4-7664-2650-2 → 目次|版元ページ)は、以前に読売新聞書評:「南方熊楠のロンドン 志村真幸著」(2020年5月10日掲載|2020年5月18日公開)を書いた。しかし、無用心にウロウロしていると著者の手で “熊楠沼” に引きずり込まれる。
ワタクシの書庫にある熊楠関連の “鈍器本” たちはときどきゴソゴソ動き回っているようだが、見ないふり、聞こえないふりをしていれば取り憑かれることはない。