『虫と日本人 —— 幕末~昭和戦前期の昆虫文化史』目次

虫と日本人 —— 幕末~昭和戦前期の昆虫文化史
保科英人
(2025年10月29日刊行、三弥井書店、東京, vi+375 pp., 本体価格3,600円, ISBN:978-4-8382-3431-8版元ページ


【目次】
はじめに 1
凡例 4
第1章 新メディアの新聞と昆虫 7
第2章 近代鳴く虫の栄光 29
第3章 蛍狩り狂騒曲 71
第4章 動乱と昆虫 155
第5章 やんごとなき方々と昆虫(江戸篇) 204
第6章 やんごとなき方々と昆虫(近代篇) 232
第7章 海を渡った昆虫 265
第8章 近代高級ペットのカジカガエル 304
第9章 近代日本の虫雑話 342
あとがき 373

『世界自炊紀行』目次

世界自炊紀行
山口祐加
(2025年8月20日刊行、晶文社、東京, 16 color plates + 554 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-7949-8012-0版元ページ

読了。世界中12ヶ国をめぐる “自炊料理” のレポート。自炊すること=自縛することではないと悟った。


【目次】
カラー口絵(16 pp.)
はじめに 9
1 台湾編:外食文化が根付いた国で自炊をするということ 17
2 韓国編:自炊よりも外食した方が、たくさん野菜が食べられる国 61
3 ポルトガル編:魚介類と米の国の日常食とは 107
4 スペイン編:一日五回の食事を摂る国へ⁉ 142
5 フランス編:「おいしい」の国の自炊事情とは 185
6 トルコ編:「本当のトルコ料理」を探して 219
7 イタリア編:地域性のある食文化が根付く「イタリアの自炊事情」 269
8 メキシコ編:スペインの侵略がもたらした食文化の変革 311
9 ペルー編:注目度急上昇、ペルー料理がおいしい理由とは 347
10 タイ編:毎日・毎食、外食で困らない国でなぜ自炊するのだろうか? 395
11 ベトナム編:本当の「家庭料理」に会いたくて 439
12 ラオス編:何も知らない国の自炊に出会うこと 479
おわりに 525
本書に登場した滞在先の中で一般に開かれている宿泊先リスト 550
旅の参考にしたWebサイト 552

『どうぶつ寝顔図鑑 —— いちばん無防備で、愛おしい瞬間』目次

どうぶつ寝顔図鑑 —— いちばん無防備で、愛おしい瞬間
茜灯里(監修)
(2025年12月1日刊行、オレンジページ、東京, iv+107 pp., 本体価格1,500円, ISBN:978-4-86593-818-0版元ページ


【目次】
まえがき ii

Chapter 1 まるで天使、赤ちゃんどうぶつ 1

登場動物:イヌ、ネコ、ライオン、チーター、ユキヒョウ、ホッキョクギツネ など
コラム① 動物たちのバラエティ豊かな眠り 26

Chapter 2 ぬくもりのそばで、静かな午後 27

登場動物:ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、モルモット、ハムスター、チンチラ など
コラム② イヌとネコの不眠ケア 42

Chapter 3 地球を旅する 眠りの風景 43

登場動物:ジャイアントパンダ、コアラ、カンガルー、カバ、ホッキョクグマ など
コラム③ ウマが睡眠中に膝カックンしない理由 62

Chapter 4 森のちいさな住人たち 63

登場動物:シマリス、 ニホンヤマネ、 ハリネズミアカギツネシロフクロウ、 イノシシ など
コラム④ 鳥のウインク 76

Chapter 5 猛き者もまどろむ時間 77

登場動物:ジャガーピューマカラカルマヌルネコ、ウンピョウなど
コラム⑤ 体温を0 ℃近くにして「深冬眠」 92

Chapter 6 星の下で目覚め、陽の下で眠る 93

登場動物:レッサーパンダフェネックハイイロオオカミセンザンコウ など

 

参考文献 105
どうぶつさくいん 106

『世界最高の辞典を作った名もなき人びと』目次

世界最高の辞典を作った名もなき人びと
サラ・オーグルヴィ[塩原通緒訳]
(2025年9月25日刊行、早川書房、東京, 423 pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-15-210460-1版元ページ


【目次】
序 ディクショナリ・ピープルの発見 9
A for ARCHAEOLOGIST(考古学者) 24
B for BEST CONTRIBUTOR(一番の貢献者) 32
C for CANNIBAL(人食い人) 40
D for DICTIONARY WORD NERDS(辞典収録語マニア) 53
E for EUROPEANS(ヨーロッパ人) 70
F for FAMILIES(家族) 82
G for GLOSSOTYPISTS(グロソタイピスト) 102
H for HOPELESS CONTRIBUTORS(どうしようもない協力者) 112
I for INVENTORS(発明家) 130
J for JUNKIE(ジャンキー) 142
K for KLEPTOMANIAC(窃盗常習者) 147
L for LUNATICS(狂人) 159
M for MURDERERS(殺人者) 197
N for NEW ZEALANDERS(ニュージーランド人) 219
O for OUTSIDERS(アウトサイダー) 240
P for PORNOGRAPHER(ポルノ収集家) 253
Q for QUEERS(クィア) 264
R for RAIN COLLECTORS(雨量計測者) 280
S for SUFFRAGISTS(婦人参政権論者) 286
T for TRAMPS, THE SUNDAY(日曜遊歩会) 294
U for USA(アメリカ合衆国) 305
V for VICARS(AND VEGETARIANS)(牧師、および菜食主義者) 330
W for WOMEN(女性) 340
X for XENOMANIACS(AND ESPERANTISTS)(外国かぶれ、およびエスペラント使用者) 361
Y for YONGE CHARLOTTE,AND OTHER NOVELISTS(シャーロツト・ヤング、およびその他の小説家) 367
Z for ZEALOTS(熱狂者) 382
謝辞 397
図版一覧 400
参考資料 406
解説[山本貴光] 412

『科学社会学への招待』目次

科学社会学への招待
マッシミアーノ・ブッキ[伊藤憲二・水島希・藤木信穂訳]
(2025年11月10日刊行、さいはて社、草津, 244 pp., 本体価格3,000円, ISBN:978-4-9912486-7-2版元ページ


【目次】
凡例 5
日本語版への序文 7
イントロダクション 15
プロローグ 21
1 近代科学の発展と科学社会学の誕生 25
2 パラダイムと思考様式 ― 科学と社会をつなぐもの 47
3 数学は社会的に形成されるか ― 「ストロング・プログラム」 71
4 実験室の中を見てみよう ― ラボラトリー・スタディーズ入門 95
5 自転車とミサイルをばらばらにする ― 技術の社会学 115
6 「サイエンス・ウォーズ」を超えて 135
7 科学を伝える ― サイエンス・コミュニケーション科学社会学からとらえ直す 153
8 科学(と社会)2.0に向けて 183
訳者あとがき 211
文献表 217
人名索引 239
著者・訳者紹介 247

『小説みたいに楽しく読める生態学講義』目次

小説みたいに楽しく読める生態学講義
中田兼介
(2025年11月15日刊行、羊土社、東京, 301 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7581-2137-8版元ページ


【目次】
はじめに 3

第1章 生態学とはなんだろう 13

生き物の星に暮らす ―― 地球環境の特徴 14
エコロジー? ―― 生き物と環境と関係の学問 18
大事なことは目に見えない ―― 生態学の時空間スケール 23
増える定め ―― 生き物のもつ性質 28
誰とも違うあなた ―― 生物多様性 32
成長なんて幻想です ―― 有限の環境 40
すべてつながっている ―― 生き物の関係と生態系 44
1+1=2? ―― システムとして見る 47
私たちも生き物だから ―― 人間と自然の関係 50
それ役に立ちますか? ―― 生態学と私たちの社会 55

第2章 生物世界の縦と横 57

今はまだ数えきれない ―― 生き物の種数 58
チワワもコーギーも同じイヌ ―― 種の定義 61
果てしない枝分かれ ―― 種分化 65
ポケモンでも出世魚でもなく ―― “進化”の意味 68
万骨枯れて ―― 自然選択 72
たとえ話をひとつ ―― 変異、遺伝、選択 76
神はさいころを振る ―― 偶然の影響 78
もっと方舟を ―― 進化と多様性 82
正解はひとつ ―― 収斂 85
正解はひとつじゃない ―― 頻度依存選択 90
判官びいきでいこう ―― 少数派有利と多数派有利 93
あなたは敵? それとも味方? ―― 擬態 95
楚人に盾と矛をひさぐものあり ―― 共進化 99
つまりは数が効いてます ―― オスとメス 105
力か、色か、それが問題だ ―― 性選択と利害の対立 107

第3章 仲間かライバルか 113

お金のことがわからない ―― 個体群の成長 114
サインはS ―― ロジスティック方程式 118
タイムラグの帰結 ―― 時間遅れの効果 122
北京のチョウ ―― カオス 126
悪循環が止まらない ―― 絶滅の渦 129
ケンカの作法 ―― 儀式的闘争 133
富めるものはますます富む ―― 勝ち癖負け癖 138
とはいえ1人で生きるのも ―― 動物の社会 141
われわれは大勢であるがゆえに ―― 社会性昆虫 143
あなたの中の私 ―― 血縁選択説 147
情けは人のためならず ―― 互恵的利他行動 150
排除の論理 ―― フリーライダー問題 155

第4章 複雑な世界 159

両雄並び立たず ―― 種間競争 160
けんかをやめて ―― 共存の原理 164
生ける仲達を走らす ―― 捕食 170
自分でない自分 ―― 寄主操作 174
リカードでいこうよ ―― 相利的関係 177
桶屋はいつもうかるか ―― 種間関係のネットワーク 181
なぜ地球は緑なのか ―― トップダウン栄養カスケード 185
砂漠の摩天楼 ―― 生態系エンジニア 188
ゆく川の流れは絶えずして ―― 物質循環 191
ネッシーの持続可能性 ―― 栄養段階とバイオマス 195
もし昆虫なかりせば ―― 生態系サービス 201

第5章 力と責任 205

家畜の惑星 ―― 生き物の星のバイオマス分布 206
大絶滅時代 ―― 多様性の危機 210
我が名はサノス ―― 人間の影響 213
つくれば彼はやってくる ―― 多様性の保全 216
つながることで抵抗せよ ―― 生息地の分断化 219
プレデターの責任感 ―― 外来種問題 223
夜は暗いもの ―― 感覚汚染・光害 228
オバQの憂うつ ―― 生き物嫌いの心理 232
どんな自然がお好きですか? ―― 生物多様性と人間のかかわり 235
都会のネズミと田舎のネズミ ―― 人間の進化への介入 239

第6章 田んぼがすべてを教えてくれる 243

生き物の力を借りる ―― 天敵の効果 244
私が田んぼにハマる理由 ―― 農業の多様な恩恵 248
Nの悲劇 ―― 肥料の必要性 251
こんにちはマルサス ―― 窒素汚染 255
よそ者の目に映る風景 ―― 協力行動 258
ホントに彼はやってくる ―― 生き物の生息地としての農地 262
第八の災い ―― 田んぼの外来生物 266
田んぼは腰にくる ―― 最終収量一定の法則 271
干すべきか干さざるべきか ―― 環境保全のなかのトレードオフ 275
牛丼の面積 ―― エコロジカル・フットプリント 280

 

おわりに 287
文献 [301-290]

『虫と仕事がしたい!』目次

丸山宗利・柳澤静磨(編著)
(2025年10月30日刊行、河出書房新社[14歳の世渡り術]、東京, 221 pp., 本体価格1,540円, ISBN:978-4-309-61780-0版元ページ

昨夜遅く届いた最新巻。なんだかよく知っているお名前がちらほらと、なんで夫婦で別々に登場するねんとか、おもしろそうな虫本。さっそく大学に持参して、「ええか、虫にハマるとこういう人生になるんやでぇ」と一年生に説諭しないと!


【目次】
はじめに[丸山宗利] 3

第1章:昆虫のなぞに挑む 11

昆虫学者、大学博物館で働く[丸山宗利] 12
バッタで生きる[前野ウルド浩太郎] 24
自由人の日々[小松貴] 37

第2章:みんなに知ってもらう 49

イモムシに魅せられて[前畑真実] 50
虫と人の仕事[柳澤静磨] 64
うみねこ博物堂の仕事——好奇心とともに生きる[小野広樹] 77

第3章:つくって魅力を伝える 91

虫を愛でたり、土をこねたり[奥村巴菜] 92
物語と写真、そしてこれから[法師人響] 105
やりたいこと——昆虫を描く仕事への挑戦[じゅえき太郎] 120
昆虫の新しい魅せ方[むし岡だいき] 135

第4章:企業で働く 147

「虫を食べたい」に応える仕事[齋藤健生] 148
虫ぎらいが、害虫の飼育? わたしと虫たちのフシギな半生[有吉立] 163

第5章:虫たちと共存するために調べる 179

農業試験場や病害虫防除所での「虫の仕事」[大野豪] 180
昆虫研究で環境問題を解決したい![坂本佳子] 193
虫を知ることは環境を知ること[名嘉猛留] 206

 

おわりに[柳澤静磨] 220

『塩の民俗と生活』目次

宮本常一
(2007年12月25日刊行、未來社[宮本常一著作集・49]、東京, 416 pp., 本体価格4,200円, ISBN:978-4-624-92449-2版元ページ

これも寝読み本として読了。海で製塩された塩が内陸の奥深くまで運ばれていく “塩の道” のありさまがとても興味深い。長期保存できる “塩魚” は魚本体ではなくむしろ塩の補給方法として広まっていたり、山で伐採された木が川で下流に運ばれて浜の製塩の燃料として用いられたり、日本の伝統的な製塩業は知らないことばかり。


【目次】
凡例 7
塩の民俗──民俗編の主旨と概要 11

塩の道 20

  1 塩は神に祭られた例がない 20
  2 製塩法とその器具の移り変わり 25
  3 塩の生産量の増加に伴う暮らしの変化 37
  4 塩の道を歩いた牛の話 44
  5 塩を通して見られる生活の知恵 56
  6 塩の通る道は先に通ずる重要な道 67

入浜以前の製塩法 73

 一 日本海沿岸の揚ゲ浜製塩 74
  はしがき 74
  1 丹後竹野郡浜詰村 77
  2 丹後加佐郡由良村 82
  3 越前坂井郡北潟村波松 96
 二 入浜以前の内潟式製塩法試論 116
  はしがき 116
  1 姫島の内潟州式塩田 117
  2 内海島嶼内潟州塩田遺跡 122
  3 種子島の製塩 127
  4 潟州とモンダレ 131
  5 五島の製塩 133
 三 瀬戸内海の小規模製塩 141
  1 浜という地名と揚浜遺跡 141
  2 周防大島 144
  3 岩国市柱島 154
  4 大崎上島沖浦 166
  5 因島箱崎 169
  6 大分県姫島 184

塩の生産と流通にともなう習俗 195

 一 燃料と輸送 195
  1 塩木 195
  2 周防大島の薪島 203
  3 石炭と石炭船 214
  4 石船・砂船 221
 二 塩市・塩商 226

塩と生活 233

 一 一般家庭における塩の消費 233
  1 一人当りの塩消費 233
  2 塩をはかる単位 245
  3 味噌・醤油 255
 二 消費の方法 258
  1 焼塩・塩漬 258
  2 漬物 268
  3 味噌・醤油の作り方 276
  4 鮓 286
  5 家畜と塩 288
  6 塩から砂糖へ 290
 三 苦汁の利用 292

塩と習俗 301

 一 塩の呪性 301
  1 供物としての塩 301
  2 塩と清め 304
  3 塩断ち 313
 二 民間療法 316
 三 夜の塩 323
 四 塩と成育 327
  1 手塩と塩踏み 327
  2 民話と塩 331
 五 塩釜信仰 332
 六 山中の塩と塩のつく地名 337

塩随想六題 342

 一 手塩つくり 342
 二 奈良時代の塩の貢進 351
 三 山中の塩 357
 四 日本海沿岸の製塩 362
 五 瀬戸内びとの気魄 367
 六 塩売り 370

浜旦那家の民具 376

 一 浜旦那家の民具──松永塩田 376
  1 家財・什器の移動 376
  2 什器を通してみる家の成長 381
  3 民具を通してみる塩業家の文化 387
 二 瀬戸田の浜旦那と民具──瀬戸田塩田 392
  1 浜旦那の家 392
  2 堀内家の家具什器 399
  3 西河家の家具什器 403
  4 民具調査でしのこしたこと 407

 

 編者あとがき 田村善次郎 410
 初出一覧 414

『日本の島々,昔と今』目次

有吉佐和子
(2009年2月17日刊行、岩波書店岩波文庫・緑180-2]、東京, 518 pp., 本体価格1,240円, ISBN:978-4-00-311802-3版元ページ

寝読み本として読了。この本は1970年代後半から80年代はじめにかけての日本の離島をめぐった著者晩年のルポルタージュ作品。半世紀近く前の “国境” の島々をまきこむ政治経済や国際関係・国境紛争の動向、島の漁業の景気不景気、そして島民の出入りなどが描かれている。今も帰属問題でくすぶる北方四島竹島尖閣列島も取り上げられている。気のせいか筆調が武田百合子を連想させる。しかし、有吉佐和子のほかの作品(『複合汚染』とか『恍惚の人』とか)はこれまでまったく読んだことがない。


【目次】
海は国境になった―焼尻島・天売島 7
鉄砲とロケットの間に―種子島 45
二十日は山に五日は海に―屋久島 73
遺唐使から養殖漁業まで―福江島 107
元寇から韓国船まで―対馬 137
南の果て―波照間島 187
西の果て、台湾が見える―与那国島 219
潮目の中で―隠岐 263
日韓の波浪―竹島 307
遙か太平洋上に―父島 343
北方の激浪に揺れる島々―択捉・国後・色丹・歯舞 383
そこに石油があるからだ!―尖閣列島 447
総覧図 514-515