『小説みたいに楽しく読める生態学講義』
中田兼介
(2025年11月15日刊行、羊土社、東京, 301 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-7581-2137-8 → 版元ページ)
【目次】
はじめに 3
第1章 生態学とはなんだろう 13
生き物の星に暮らす ―― 地球環境の特徴 14
エコロジー? ―― 生き物と環境と関係の学問 18
大事なことは目に見えない ――
生態学の時空間スケール 23
増える定め ―― 生き物のもつ性質 28
誰とも違うあなた ――
生物多様性 32
成長なんて幻想です ―― 有限の環境 40
すべてつながっている ―― 生き物の関係と生態系 44
1+1=2? ―― システムとして見る 47
私たちも生き物だから ―― 人間と自然の関係 50
それ役に立ちますか? ――
生態学と私たちの社会 55
第2章 生物世界の縦と横 57
今はまだ数えきれない ―― 生き物の種数 58
チワワも
コーギーも同じイヌ ―― 種の定義 61
果てしない枝分かれ ―― 種分化 65
ポケモンでも
出世魚でもなく ―― “進化”の意味 68
万骨枯れて ―― 自然選択 72
たとえ話をひとつ ―― 変異、遺伝、選択 76
神は
さいころを振る ―― 偶然の影響 78
もっと方舟を ―― 進化と多様性 82
正解はひとつ ―― 収斂 85
正解はひとつじゃない ―― 頻度依存選択 90
判官びいきでいこう ―― 少数派有利と多数派有利 93
あなたは敵? それとも味方? ―― 擬態 95
楚人に盾と矛をひさぐものあり ―― 共進化 99
つまりは数が効いてます ―― オスとメス 105
力か、色か、それが問題だ ―― 性選択と利害の対立 107
第3章 仲間かライバルか 113
お金のことがわからない ―― 個体群の成長 114
サインはS ―― ロジスティック方程式 118
タイムラグの帰結 ―― 時間遅れの効果 122
北京のチョウ ―― カオス 126
悪循環が止まらない ―― 絶滅の渦 129
ケンカの作法 ―― 儀式的闘争 133
富めるものはますます富む ―― 勝ち癖負け癖 138
とはいえ1人で生きるのも ―― 動物の社会 141
われわれは大勢であるがゆえに ―― 社会性昆虫 143
あなたの中の私 ―― 血縁選択説 147
情けは人のためならず ―― 互恵的利他行動 150
排除の論理 ――
フリーライダー問題 155
第4章 複雑な世界 159
両雄並び立たず ―― 種間競争 160
けんかをやめて ―― 共存の原理 164
生ける仲達を走らす ―― 捕食 170
自分でない自分 ―― 寄主操作 174
リカードでいこうよ ―― 相利的関係 177
桶屋はいつもうかるか ―― 種間関係のネットワーク 181
なぜ地球は緑なのか ――
トップダウン栄養カスケード 185
砂漠の摩天楼 ―― 生態系エンジニア 188
ゆく川の流れは絶えずして ―― 物質循環 191
ネッシーの持続可能性 ―― 栄養段階と
バイオマス 195
もし昆虫なかりせば ―― 生態系サービス 201
第5章 力と責任 205
家畜の惑星 ―― 生き物の星の
バイオマス分布 206
大絶滅時代 ―― 多様性の危機 210
我が名はサノス ―― 人間の影響 213
つくれば彼はやってくる ―― 多様性の
保全 216
つながることで抵抗せよ ―― 生息地の分断化 219
プレデターの責任感 ――
外来種問題 223
夜は暗いもの ―― 感覚汚染・光害 228
オバQの憂うつ ―― 生き物嫌いの心理 232
どんな自然がお好きですか? ――
生物多様性と人間のかかわり 235
都会のネズミと田舎のネズミ ―― 人間の進化への介入 239
第6章 田んぼがすべてを教えてくれる 243
生き物の力を借りる ―― 天敵の効果 244
私が田んぼにハマる理由 ―― 農業の多様な恩恵 248
Nの悲劇 ―― 肥料の必要性 251
こんにちは
マルサス ―― 窒素汚染 255
よそ者の目に映る風景 ―― 協力行動 258
ホントに彼はやってくる ―― 生き物の生息地としての農地 262
第八の災い ―― 田んぼの
外来生物 266
田んぼは腰にくる ―― 最終収量一定の法則 271
干すべきか干さざるべきか ――
環境保全のなかの
トレードオフ 275
牛丼の面積 ―― エコロジカル・フットプリント 280
おわりに 287
文献 [301-290]