『Darwin & Co.: Eine Geschichte der Biologie in Portraits (I / II)』

Ilse Jahn and Michael Schmitt (eds.)

(2001年刊行,Verlag C. H. BeckISBN:3406446388 [Band I] / ISBN:3406446396 [Band II] / ISBN:3406446426 [set])



本書は生物学史の本なのですが、リンネに始まりマクリントックまでの52人の生物学者の伝記を通じて、生物学の進展とそれぞれの時代との関わり、そして現在への影響を示そうとしています。上下巻合わせて1100ページにも及ぶ伝記集です。Band I では進化学の源流に位置する多くの博物学者が取り上げられています。続く、Band II では、遺伝学者・行動学者・生態学者が数多く登場するのが特徴です。個人的には、Walther Zimmermann と Willi Hennig の伝記に関心があります。

ダーウィン商会』("Darwin & Co.")というタイトルに違和感を覚える読者の多いと思います。編者らもその点を序言で言及しており、「ダーウィンという名前はあくまでも近代生物学のシンボルとして用いた」と言っています。もともと本書は C.H. Beck 社の Klassiker 叢書の一冊として "Klassiker der Biologie" というタイトルで出版される予定だったと編者の Schmitt さんから聞いていました。本書は生物学史の大著であり、参考資料として有用ではないかと思います。各巻末にまとめられた資料も充実しています。

編者の一人である Michael Schmitt さんは昆虫学者で、本論文集では Willi Hennigの伝記その他を執筆しています。また、もう一人の編者である Ilse Jahn さんは生物学史の研究者。ベルリンの壁が崩れる前の1985年に、Geschichte der Biologie という大きな生物学史の本(Gustav Fischer, Jena)を出版しています(数年前に第3版が出ました)。

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