『現代の青春におくる挑発的読書論』

白上謙一
(1976年9月5日刊行,昭和出版,東京, 2 plates + 285 pp.)

いままで入手する機会がなかった本が札幌の古書店からやっと届いた.函入りのとてもいい感じの触り具合.晩年の白上謙一は:白上謙一『生物学と方法:発生生物学とはなにか』(1972年2月29日刊行,河出書房新社,東京, 220 pp.)ののち,翻訳書である:G・G・シンプソン[白上謙一訳]『動物分類学の基礎』(1974年12月18日刊行,岩波書店,東京,x+272 pp.)の出版を待たずに1974年に逝去した.したがって,本書は没後の出版ということになる.のちに文庫化された版:白上謙一『ほんの話:青春に贈る挑発的読書論』(1980年4月30日刊行,社会思想社[現代教養文庫・1017],東京, 306 pp.)は,正確には,昭和出版本のリプリントではない.もとになった山梨大学学生新聞の連載記事を修正加筆したものを底本として,さらに番外の「追補 ― J・H・ウッジャー先生訪問記」を追加して文庫化されたのが社会思想社本ということになる.