「註のはなし」

マジな話,本の「註」—— 頁下や章末や巻末にまとめられているアレ —— ってどうやって “読む” べきなのか迷うことがある.本文中に註の指示があるたびにページをあちこちめくったり戻ったりするのは読書の「動線」をぶった切る行為だとワタクシは思う.ガマンして本文だけ読んで,註はあとでまとめて読むしかない.もちろん,ワタクシが自分で本を書くときも「註」はまったく付けないように配慮している.これまた執筆の「動線」がちぎれてしまうからだ.というか,書くべき内容はすべて本文に織り込んでしまうので,註をあえて付ける必要がそもそもない.書くべきコンテンツは本文として書く.それ以外に書くことはぜんぜんない.しばしば本や論文で註がそのまま「参考文献目録」になっていることがあるが,あれってワタクシ的には超困りもの.誰のどんな文献が引用されているかが一目瞭然でわからないから.参考文献は一括して巻末リスト化してほしい.