「築地本マルシェ:鼎談〈学術書を読む−−「専門」を超えた知を育む〉」

ベルサール汐留での〈築地本マルシェ〉の大学出版部協会企画として開催された鼎談「学術書を読む−−「専門」を超えた知を育む」(2018年2月18日(日)14:00〜15:00)では,学術書を「読む」&「書く」という観点から話をした.どんな先端的な科学研究でも歴史的視点はつねに必要というのがワタクシの持論だ.顔を上げて少しでも遠くを見れば周辺分野とのつながりは自ずと気づくだろう.要はその気があるかどうか.蒐書はアンテナの張り方が大事で,目が細かすぎると拾いすぎ,逆に粗すぎると漏れ落ちがある.ワタクシの場合は「自分から探す」というよりは「本の方から呼ばれる」ことが多い.

本を書く立場からいえば,原著論文や総説記事とはちがって,一冊の本はひとまとまりの知識の「体系」を構築すること.ワタクシの場合はフォーマットは新書であっても,コンテンツは文献資料として利用できるように書いている.けっして流動食みたいな噛まずに飲みこめる本は書かない主義.

鼎談は一時間しかなかったのでいささか時間不足だった.学術書を書いたり読んだりするときのワタクシの姿勢については,本録 leeswijzer からの関連記事あるいは書評をピックアップして当日のオーディエンスにコピーを配布した.ワタクシが配布した資料はこちら —— 築地本マルシェ・鼎談「学術書を読む:「専門」を超えた知を育む」三中信宏配布資料:html | pdf