『記憶の箱舟:または読書の変容』目次

鶴ヶ谷真一
(2019年5月30日刊行,白水社,東京, 260+xii pp., 本体価格2,800円, ISBN:9784560097014版元ページ

これまたナゾな書名だったが,「読書史」や「記憶術」などというワタクシ的に “キャッチー” なのでピックアップしたら「ミナカさんが選ぶだろうと予想してました」と.行動を読まれてるやん.

【目次】
はじめに 7

1 最初の読書体験 16

2 比類なき記憶のもたらした幸と不幸 26

3 読書の変容――素読から草双紙を経て近代読者の成立まで 34

  内田百閒と湯川秀樹 34
  素読の意義 39
  貝原益軒『和俗童子訓』 41
  素読の実習課程 45
  講義 46
  会読 47
  江戸人の読書傾向 49
  山東京伝滑稽本 54
  黄表紙の読み方 59
  大江戸の春と戯作の誕生 61
  仁斎と徂徠による朱子学批判 64
  漢詩の隆盛と詩人の経済的自立 67
  儒者の夢想 76
  漢文学習と外国語の習得 79
  政治小説の出現 88
  近代読者の成立 95

4 中世ヨーロッパ修道院における読書法 104

  サン・ヴィクトル修道院 104
  読書と瞑想 106
  詩編の学習 114
  記憶の重要性 116
  彩色写本の発する光 118
  歴史の現実と読書 121
  修道士はいつ本を読んだのか 124
  黙読のもたらした読書の変容 126

5 索引の誕生 129

  索引の効用 129
  索引の由来 134
  巻物から冊子へ 135
  句読点の考案と分かち書き 137
  エウセビオスの共観表 140
  索引不要の実例 144
  十二世紀の時代背景 146
  アルファベット順 152
  索引制作の現場 156

6 記憶術とは何か 165

  夜店の記憶術師 165
  明和の一件とその波紋 169
  明治における反響 172
  シモニデスによる創案 175
  ソクラテスの無関心 180
  アリストテレス「記憶と想起について」 182
  アウグスティヌスの記憶論 191
  詩編百五十編の記憶法 194
  マテオ・リッチの『西国記法』 198
  ベルクソンによる記憶術の定義 205

7 西行 月の記憶 211

8 柳田国男 地名の記憶 232

 

あとがき 259
参考文献 [i-xii]