『世界を一枚の紙の上に —— 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』詳細目次

大田暁雄
(2021年12月20日刊行,オーム社,東京, 269 pp., 本体価格4,500円, ISBN:978-4-274-22785-1版元ページ

やっと刊行された.カバージャケットをスキャンすると真っ黒くなってしまうが,写真だとフンボルトの植相遷移図がみごとな金色のコールドフォイル印刷で箔押しされている.


【目次】
まえがき 7

第1部 「自然画」と生態学的視線の芽生え 10

1章 世界を一枚の紙の上に:近代デザインの祖としてのアレクサンダー・フォン・フンボルト 12

 1-1. 自然世界のミニアチュール —— 垂直植生分布図と生態系の目覚め 13
 1-2. 地球と生命の起源 —— 創造論的世界観から生態学的世界観へ 24
 1-3. 「見ること」と「測ること」の融合 34

2章 「コスモス」の視覚化:ハインリヒ・ベルグハウスの『自然アトラス』とフンボルティアン・グラフィズムの展開 41

 2-1. 世界の計測 42
 2-2. 地図学的言語の革新 44
 2-3. コスモス理念と地図学的才能の融合 66
 2-4. 『自然アトラス』の波及 67

第2部 近代社会のタブロー 74

3章 「社会」を描く:国民国家の確立と初期の統計グラフィック 77

 3-1. 統計と国勢視覚化 —— 人工、面積、経済 78
 3-2. 教育改革と倫理の統計学 85
 3-3. センサスの整備と産業革命 91
 3-4. 近代化の功罪 —— パンデミックと視覚的推論 95

4章 再組織化される国土 シャルル・ジョセフ・ミナールの流動地図 105

 4-1. 「ナポレオンのモスクワ遠征地図」の忘れられた作者 106
 4-2. 流動地図が描く「水路と陸路の戦争」 114
 4-3. 流動地図の変容 —— ハンニバルとナポレオンの遠征図 119
 4-4. 「目による計算」のために 126

5章 政策としての統計図表 エミール・シェッソンの『図的統計アルバム』 135

 5-1. 産業化と図的統計 136
 5-2. シェッソンの理論的準備 —— 1878年パリ万国博覧会 141
 5-3. 『図的統計アルバム』 147

第3部 地球の再組織に向けて 162

6章 地球の「描き方」 エリゼ・ルクリュの地図批判 165
 6-1. 自然のイメージ 166
 6-2. 地球を描く 171
 6-3. 大地球儀 —— 国境なき、大地そのものの表象 184

7章 視覚言語による社会革命 オットー・ノイラートの『社会と経済』アトラス 193

 7-1. 言葉は分かち,絵は結びつける 194
 7-2. 「絵ことば」の規格化 198
 7-3. 《言明【ステートメント】》の構築に向けて 206
 7-4. 「事実」を基礎とした教育の普及 —— メタ・ミュージアムとしての「社会経済博物館」 217
 7-5. 革命装置としてのアイソタイプ 220

8章 「世界」を収集し、分類し、体系化する ポール・オトレの20世紀型《百科全書》 225

 8-1. 「世界」という書物 226
 8-2. 世界の索引【インデックス】—— アンチ・バベルの塔としての博物館 232
 8-3. 『普遍文明アトラス』と『新世界図絵』 237
 8-4. オトレの到達した「世界」 245

 

あとがき 252
図版クレジット 257
参考文献 260
人名録 262
索引 266
謝辞 269