『記憶の部屋:印刷時代の文学的 − 図像学的モデル』

リナ・ボルツォーニ[足達薫・伊藤博明訳]

(2007年5月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates +478 pp., 本体価格7,500円,ISBN:9784756607966版元ドットコム

最新刊:リナ・ボルツォーニ[石井朗・伊藤博明・大歳剛史訳]『イメージの網:起源からシエナの聖ベルナルディーノまでの俗語による説教』(2010年12月25日刊行,ありな書房,東京,8 color plates + 342 pp., 本体価格6,400円,ISBN:9784756610164目次版元ドットコム)からさかのぼって衝動的に買ってしまった.ありな書房はこういう図像史の本をたくさん出している出版社なのね.記憶術を中心に図表(tavula)とか系図(arbor)がわんさか登場する.これまでわが蒐書アンテナにまったく感知されなかった本たちがここのところ急にわらわらと視野に入ってきた.原書は:Lina Bolzoni『La stanza della memoria: Modelli letterari e iconografici nell'età della stampa』(1995年刊行,Saggi, ISBN:9788806137625版元ページ).

【目次】
カラー口絵(8 pp.)
序論 7

第1章 知を見えるものにする――アカデミア・ヴェネツィアーナの経験 27

1 フェデリコ・バドエルとアカデミアの設立 27
2 出版計画――新しい俗語文学と「最も古い叡智」[antichissima sapienza] 33
3 秩序化され視覚化された百科全書 37
4 知の場所――図書館と宮殿 45
5 アカデミアの国家公認へ向けられた野心 48
6 失敗の理由 50

第2章 知の系統樹と修辞学的機構 57

1 容易に歩くことができる知への道、あるいは方法の悦び 57
2 信仰のために用いられる修辞学の図表と世俗で用いられる修辞学の図表 74
3 ありうべきテクストの地図 83
4 オラツィオ・トスカネッラ――学校と出版事業の狭間の文学者という職業 100
5 衒学者たちに対抗し、俗語のため、平明で有益な書物のために 107
6 言葉の迷宮と図書館の順序/秩序 113
7 修辞学的機構 7
8 記憶術――修辞学的機構へのアクセスを許す鍵 130
9 説教を構築するための機構 134

第3章 記憶のゲーム 145

1 模倣のゲーム 145
2 能書、秘文字、判じ絵――書くことの変容 151
3 秘文字言語と記憶のイメージ――機構のモデルと秘密の魅力 169
4 テクストを産みだすゲーム 182
5 ゲームを産みだすテクスト 194

第4章 身体と霊魂の狭間におけるイメージの地位 211

1 霊魂の地図と記憶のための薬 211
2 想像力の威力と忘却のための努力 224
3 エロスの内的表象と記憶のためのイメージ 231
4 心臓に開けられた窓 240
5 記憶、修辞学、観相学の狭間にある情念の劇場 256
6 身体とテクスト 270

第5章  いかにして言葉をイメージに翻訳するのか――記憶と着想 279

1 イメージの記憶と図像の用例集 279
2 場所 291
3 建造物としてのテクスト 294
4 ドーニの劇場――イリュージョン的なゲーム 302
5 詩とギャラリー――文芸批評家ガリレオの隠喩 313
6 いかに物語をイメージ群に翻訳するのか 326
7 挿絵入りの書物 331
8 伝記と肖像 342
9 記憶と着想――フランチェスコ・サンソヴィーノとピッロ・リゴーリオ 344

第6章 記憶術と蒐集主義 355

1 サミュエル・キッヒェルベルクの劇場と記憶の隠喩 355
2 蒐集主義と記憶術――共通の神話 366
3 記憶の劇場としての蒐集 368
4 記憶の諸論考と蒐集のモデル 372
5 人形と蝋製のイメージ 380
6 「驚異の部屋」(Wunderkammer)と内的な城 382


原註 389
解題:記憶術とルネサンスの学知(安達薫) 451
人名/著作名/美術作品名 索引 [478-462]