「「活字離れ」論に最終決着?--電子書籍を含めれば「不読率」は激減している」

林智彦(2015年3月6日)
CNet: http://japan.cnet.com/sp/t_hayashi/35061283/

「本」は読まなくても「活字」は読んでいるという結論.確かに,「本」を「活字」に換算してしまえば結論は変わるだろう.しかし,それとは別に「本」というまとまった情報パックの “電子切り身” が売られている現状は読み方に影響を及ぼしているにちがいない.たとえば,「電子本」で出版される専門書には,一冊の本を「章」ごとに切り分けて “分売” するケースがある.論文集のような複数著者による本ならば,特定著者の「章」だけを “電子切り身” で買う意味はあるだろう.他方,単一著者の本であっても「章」ごとに売られていて,きっと特定の「章」だけ買う読者もいるだろう.こういう場合,ある著者の「本を読んだ」という表現は適切なのか.もちろん「紙の本」でも “つまみ読み” すれば同じだけど.