鈴木哲也・高瀬桃子
(2015年9月25日刊行,京都大学学術出版会,京都, vi+155 pp., 本体価格1,700円, ISBN:9784876988846 → 版元ページ)
【目次】
序章 Publish or Perish からPublish and Perish の時代へ ― なぜ,学術書の書き方を身につけるのか 1
1 Publish or Perish(出版か死か)と学術出版の疲弊 2
2 Publish and Perish(出版しても救われない)時代の到来 9
3 電子化時代の「仕分け」と技法・作法 11
4 本書の使い方 13
第I部 考える ― 電子化時代に学術書を書くということ
第1章 知識か「情報」か ― 電子化時代の「読者」と知のあり方 17
1 「プレ電子化時代」の学術メディアと読者 18
2 学術書と教養主義,あるいはリベラル・アーツ 22
3 電子化・オンライン化の訪れと「読者」の消失 24
4 知識か「情報」か 27
5 オンライン化,特にオープンアクセスの可能性と学術書ライティング 29第2章 知の越境と身体化 ― 学術書の今日的役割と要件 33
1 越境する知 ― 新しいパラダイムを志向する研究の活性化 34
2 体系的な知の習得は必要ないか ― 学,識,技の習得のために 37
3 実利としての教養 ― 「読書人」恐るべし 39
4 学術書で何を書くか ― 学術メディアの仕分けと要件 41
5 教科書・教材の未来と本 44
第II部 書いてみる ―魅力的な学術書の執筆技法
第3章 企画と編成 ― 読者・テーマ・論述戦略 49
1 読者を想定しテーマを決める ― 主題は自明か? 50
2 書き出しの章と研究史の扱い ― 編成の留意点 1 58
3 章と章の統合,序章のあり方など ― 編成の留意点 2 61第4章 可読性を上げるための本文記述と見出しの留意点 65
1 「重複」は可読性を最も下げる 66
2 「気弱な記述」を避ける 69
3 領域的,制度的な記述スタイルをどうするか 71
4 専門的な概念や用語,数値をどう示すか 72
5 見出しを工夫する 75第5章 多彩な要素で魅力的に演出する 81
1 本を彩るさまざまな要素 82
2 コラム ― 本文へ導く 82
3 注 ― 本文を補足する 87
4 用語解説 ―基本を摑ませる 89
5 多彩な要素をボックスで洗練させる 91
6 写真 ―魅力的なキャプションで本文を補完する 95
7 図表 ―作成意図を明確に 98
8 各章のリード・キーワード・扉 ― 章の特徴を際立たせる 100
9 付録(アペンディクス)で理解を助ける 101
10 その他のさまざまな工夫 106
第III部 刊行する ― サーキュレーションを高める工夫と制作の作法
第6章 タイトルと索引 ― 冒頭と末尾に示すメッセージ 109
1 魅力的なタイトルをつけるために 110
2 メッセージが伝わる索引作り 117第7章 入稿と校正の作法 ― 合理的な制作のために 121
1 書籍組版と印刷の世界 ― パソコンでの執筆とは違う 122
2 合理的な印刷入稿のための十の留意点 126
3 ミスのない校正のための六つの留意点 132おわりに ― 学術書を「書く」ことと「読む」こと 143
参考文献・参照事例 148
索引 152