『ゲンロン戦記:「知の観客」をつくる』

東浩紀
(2020年12月10日刊行,中央公論新社中公新書ラクレ・709],東京, 277 pp., 本体価格860 pp., ISBN:978-4-12-150709-9版元ページ

速攻で読了.ああ,確かにこれは文字通りの “戦記” として語られている物語.ワタクシも過去に登壇したことのある〈ゲンロンカフェ〉が本書では重要な役回りを演じている.ワタクシが縁あって〈ゲンロンカフェ〉に登壇したのは2017, 2018, 2019年の連続三年で,各年一回ずつだった.もちろん対面での夜イベントで,エンドレスになることはわかっていた.あのような言論空間は貴重.つくばに帰れないことを見越して,毎回必ず “肉の聖地” 五反田にホテルを確保するのが常だった.そういえば,本書で「大ヒット」と書かれている:『思想地図β・第1巻』にもかつてワタクシは寄稿した:三中信宏 2011. 系譜の存在パターンと進化の生成プロセス.東浩紀(編)『思想地図β・第1巻』(コンテクチュアズ,東京),pp. 208-226[英文要旨,p. 336].原稿料がとても高かった記憶がある.書き手&話し手としてしか関わってこなかったワタクシにも,山あり谷ありの本書は引き込まれてしまう.