『中世の音・近世の音:鐘の音の結ぶ世界』

笹本正治

(2008年4月10日刊行,講談社[学術文庫1868],343 pp.,本体価格1,100円,ISBN:9784061598683版元ページ



ラフマニノフのその名も〈鐘〉,コダーイの〈ハーリヤーノシュ〉の2曲め「ウィーンの音楽時計」に出てくる鐘,ベルリオーズ幻想交響曲〉の最終楽章の鐘,マーラー〈復活〉の鐘,そしてこれから練習しようとしているムソルグスキーラヴェル展覧会の絵〉の「キエフの大門」の鐘 —— 鐘といえば,西洋音楽の中で演奏した経験しか思い浮かばない.しかし,本書は日本の社会の中での「鐘」について論じた本で,延髄反射で買ってしまいました.




【目次】
まえがき 3
はじめに 15
第1章 これまでの研究 20
第2章 誓いの鐘をめぐって 32
第3章 他界から来た鐘 54
第4章 鐘の音の効果 79
第5章 無間の鐘 99
第6章 音を出す器具と音の役割 120
第7章 神仏の出現と音 147
第8章 夜の世界 162
第9章 鋳物師に対する意識 181
第10章 神隠しと鉦や太鼓 197
第11章 軍器としての鐘や太鼓 213
第12章 時の鐘 233
第13章 寺の増加と山のお寺 257
第14章 鋳物師の増加 274
第15章 近世の危急を告げる音 290
第16章 娯楽としての音楽 307
おわりに 324
あとがき 334
学術文庫版に寄せて 340